ep7 デート?<2>

ここを田舎と言われて、騒然だったが、そこは気にしないようにしようとオレは決意した。


「さて、蒼空先輩、今からあの大型商業施設に行きます」

「結構遠いな」

「歩いてすぐですよ? 5分もかかりませんよ?」


実際、歩いてみると、5分くらいだった。それは、長いような気もしたが、一瞬に感じた。それは、アリイちゃんこと山下 美波が色々話してくれていたからだ。なんだか、これは……。 ふと頭によぎったデート・・・、この3文字を頭を実際に振って、頭から振り払った。


「どうしました? 蒼空先輩」

「いや、なんでもないよ」


もともと、女の子への耐性の薄いオレのことだ、今、表情が死んでいることだろう。正直、こうグイグイ来られるのは苦手だ。多分、好意ではなく、転校生だから後輩の先輩という謎のイジリができるから、こう色々誘ってくれるんだろう。今のオレの個人的な考えは置いておいて、現状に戻ろう。


大型商業施設、通称さんくゆーは、100円均一をはじめフードコートに洋服屋さん、格安スマホのお店とここに来ればなんでも揃う気がした。あと、ゲームセンターもありそうだ。


「この、サンキューに来れば、なんでも揃いそうな気がする」

「蒼空先輩、ここは、さんくゆーですよ? 英語のサンキューとは別ですよ? まぁ、大抵のモノは揃いますけどね。お取り寄せとかもできるし、まぁ、この世・・・のものならね」

「この世でないものなんかあるのか?」

「ってツッコむところはそこだけど、そこじゃないの!!」

「どこなんだよ!!」

「この世のものではない? お前は何者だ!? とかあるじゃないですか」

「アリイちゃん、マンガとかラノベとか好きでしょ?」

「え、あ、はい、大好きです!!」


オレは、アリイちゃんが言った、「大好きです」に一瞬オレのことかと思った。しかし、アリイちゃんが好きなのは、「マンガやラノベ」なのだ。


「ど……んなのが好きなの?」

「わたしは、異世界から敵が攻めてくるタイプなのが好きですね。で、今のオススメは……あぁ、この話をすると長くなりますから、本屋へ行きましょう!!」

「本屋かぁ、ちょうど買いたい雑誌もあるしいっか」


本屋へ向かった。


「欲しい雑誌はなんていうのですか? 一緒に探しますよ」

「月刊B17ーセブンティーン ボーイズ」

「男の子向けのセブンティーンですか?」

「まぁ、そんな感じだな」


その後、本屋で雑誌コーナーにポツンと置かれていた月刊B17がアリイちゃんの働きで見つけた。


「それじゃ、わたしのオススメをば……」

「格助詞!?」

「さすがは、先輩!! 古典は得意なようで」

「残念、古典は一番苦手だ、国語系統で」


そんな雑談をしつつ「神サラサラにします」という謎の漫画をすすめられた。


「神サラサラにします?」



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