第2話 公爵治療

ん~いいね~風になれる~~

へいへ~い!そんな気分だ


(警告!前方1km先、馬車が襲われています)

「何に襲われてんだよ」

(盗賊と思われます)

「武器になりそうなものは…」

(木刀推奨)

「あぁ、お土産用のがあったな…って、自動運転してくれたりしないよな?」

(可能です・速度・ギア等イメージしてください)


アクセル回さなくてもイメージ対応とか!

これで、右手で木刀握れる!


「いいねぇ、便利だ、これからちょくちょく頼むかも、よろしく!」

(了解しました、対象が見えてきます)

「はいよ」


前方に馬車が見えてきた、その周りを護衛?らしき騎士が6名と

薄汚いやつら10人位が交戦してる。


「ウィリー速度100、目の前の男に突撃!」

(了解!)


男に接触した瞬間バイクが空を駆けた

ひゅ~!いいね!スカッとする!

木刀使わずに、ひき殺せばいいんじゃね


(茜さんが投げ出されないようにサポートします。)


お?着地時の反動がない!

これを繰り返すか!


「わりぃわりぃなんか轢いちゃった」

「なんだてめぇ!ガキが!ヤレ!」

「やれるもんならやってみな!」

轢けるやつは大体轢いたな…

森の中とかに居られると行けねぇし!バイク降りるか…

騎士達が対応してくれてるようだ

護衛の騎士達を見てると、それぞれ裂傷とか、左腕骨折とかイメージが湧く


「なぁ、もしかして…」

(はい、対象のケガ・病気の状況が把握できます。)

「なんでだ?」

(イシス様の加護の恩恵です)

「あぁたしか医薬の神様だったな…見ただけで診断とかすげぇな…怪我はいいや」

(了解です、対応方法は?と思うと身近なもので応急処置できる方法が解ります)

「へぇ…骨折は分かるから、裂傷は…」


調合:レッドハーブ2・ヒール草3・天然水5 ヒールポーション

…ヒールポーション?これらをやればヒールポーションが作れるのか?


「ヒールポーションってなんだ?」

(この世界で一般的な回復薬です)


天然水は、持ち込んでるのがあるから…

周囲を見てるとマーカーがいくつか出てる…

近寄ってみると、なんとなく、これがレッドハーブだとわかる。

他のところに行くとヒール草ってわかるのもある。

とりあえず両方ともとって…


「何で調合すりゃいいんだよ…」

(すり鉢・すりこぎ推奨)

「あぁ料理用のがあったな…」


地面に座り

とりあえず、配分を考えて混ぜてみるか…

混ぜていると草のカスとかがどこか行って澄んだ青色の液体ができた。


「これで完成か?」

(それで完成です、最高品質の出来です。)

「なんでだよ…」

(イシス様の恩恵です。)

「医薬の神様だからか…」


調合していると討伐が終わって騎士らが寄ってきた



「先ほどはありがとう、さっきから何をしてるんだ?」

「あん?あぁあんたの仲間にケガしてるやつがいるだろ?そいつにつける薬を作ってただけだよ」


目の前の男を見ると、骨折してるやつじゃねぇか…


「あんたも左腕骨折してるだろ、痛くないのか?」

「痛いが我慢できないほどではない」


そうかい、見た感じ結構いたそうだがなぁ…

鎮痛剤みたいなの出来ないか?と思ったら。

ヒールポーションを飲めば行けると…

その前に腕固定しないとな…

見てると腕あてでちゃんと固定出来てるのがなんとなく解った

ならば…

コップをイメージして紙コップを取り出し

今作ってるのを少し注いで


「なぁあんた、こいつを飲みなよ」

「これは?」

「ヒールポーションだってよ、痛みが消えるんじゃないのか」

「綺麗な色だな、ありがたく頂戴しよう」

「ほいよ」


騎士が手渡した液体を飲むと、淡く光った気がする…

すると、驚いたような顔をして腕の具合を確かめてる。


「治ってる…すごいな君のヒールポーション!」

「あぁそうかい、残りのをけがした奴に持ってってくれよ」

「あぁ、ありがたい!」


残りの液体を他の2つの紙コップに注いで渡す。

騎士は手に取り、仲間の元へ行った…

まだ残ってるけどどうするかこれ…


(馬車の中の人にも必要になると思われます)

「あん?なんでだ?」

(中の男性の方ですが、くも膜下出血を起こし、意識を失っています)

「だめじゃん!もっと早く言えよ!」


そのまま、残ってる液体を紙コップに移し

馬車の元へ…先ほど液体を渡した騎士が


「これ以上は寄るな!仲間のケガに関しては感謝するが、主に近づけるわけにはいかない」

「中の男が、くも膜下出血を起こして、やばいんだって!通せ!」

「ダメだ!」

「このままだと死ぬぞ!」

「………」


騎士達が呆けた隙を見て馬車の扉を開け中の状況を確認。

おじいさんを、おばあさんが抱きかかえている…

確かにおじいさんをみると右前頭部あたりがうっすらと赤く淡く光ってる


「すいません、失礼します…気を失ってからどれくらい経ちますか?」

「ついさっきよ…急に頭を抱えたと思ったら倒れたの…」

(正確には5分30秒前になります。)


作ってる最中か、でもこれなら

血管の修復と流れ出した血液を出せば行ける…?

Drじゃないからなぁ…詳しい対処法とかは分からないけど理屈上はいけるはず…


(肯定、患部に手を当て流出した血液の排除と、血管の修復をイメージしてみてください)


言われた通りにしてみると…赤い淡い光は消えた…

男性を見ると、くも膜下出血ってイメージが湧かない大丈夫になった?

表情が和らいだか?


(肯定、回復しています。あとはヒールポーションを飲ませれば意識を取り戻します。)


少し空いてる口に少し流す

すると…


「ん…ワシは…」

「あなた!急に頭を抱えたと思ったら気を失ったんですよ」

「そうか、頭に何かで殴られたような激痛が走ったと思ったが…そちらのお嬢さんは?」

「分かりません、急に馬車に乗り込んできたと思ったら、あなたを見るなり真剣な顔で対応してくださったんですよ。最後にそちらの液体をあなたの口に含ませたら、あなたが意識を取り戻したんです。」


すると外から見ていた騎士が、


「そちらの子は、奇妙な乗り物で盗賊討伐の助太刀をしていただきました!同時にそちらの液体で仲間のケガを治しています!」

「ほぉ、おじょうさん、液体を見せてもらってもよいか?」

「あぁ…」


大丈夫そうだな…

とりあえず、渡したら馬車降りて、街に向かうか…


「ちょっと待ちなさい…これはヒールポーションだね、どこで手に入れた?」

「どこって…そこら辺にある材料で作ったけど…」

「もう一度作ってもらってもいいかね?」

「まぁぁそれ位なら…」


とりあえず、馬車を降りて、周囲を見渡しマーカーのあるところへ行き

ヒール草とレッドハーブを回収し、地面に置きっぱなしになっていた。

すり鉢とすりこぎを、持っている水で軽く洗ったのち、先ほどの手順で作る。

草のカスとかが消えたら出来上がり…

ずっと様子を見ていた男性に対して


「これでいいか?」

「あぁ…こんな環境で、最高品質のヒールポーションを作り出せるのか…」

「あんた、なんでわかるんだ?」


あんたって言葉に反応したのか?騎士達が詰め寄ってきたが

老人が止めるように腕を横に伸ばした。


「ワシには、鑑定スキル持ちだからな、この作り方はどこで教わった?」

(ちなみに、あかねさんにも鑑定スキルはあります。)

「知らない、イメージが湧くだけだし」

「そうか、君はこんなところで何をしている?」

「たんに、街に向かおうとしたら、あんたらが襲われてたから突っ込んだだけだが…もういいか?街に行きたいんだが…」

「どうだろう、街に行くなら、わしらと行かないか?」

「知らない人についていくほど馬鹿じゃないし」

「そうか、まだ名前を名乗ってなかったな、わしは、オーガスタ王国で、公爵をやっているライン・オーガスタだ、現国王の兄にあたるな」

「ほんとかよ…」

「貴様!さっきから失礼な事ばかり!」


騎士から怒鳴られた…


(茜さん、事実です。彼を見て鑑定と念じて見てください)


ん、念じると


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ライン・オーガスタ  人族 50歳


オーガスタ王国の公爵

現国王 レイン・オーガスタの兄


スキル

鑑定


適正武器


適正属性

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


そんなイメージが湧いた

…この情報が本当なら本当なんだろうな…


「わかった一緒に行く」

「そうか、では茜一緒に行こうか」

「はいよ」


さっきから騎士に睨まれてらぁ

とりあえず馬車に乗るように促され乗り込んだ。

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