魔法少女さしみ ☆第二話☆ ☆メンソールは甘え☆

タクシーは走る。

派手なネオン街を抜けて、住宅街を走っている。

後部座席に座る魔法少女さしみは、時々思い出したように外に目をやってはため息をつく。

「ラジオネーム、お団子ツインズさんからのリクエスト!アニメ魔法少女さしみのオープニング曲!沼でも眺めてろ!」

運転手が反射的に音量を落とした。

 車内に響くのは、さしみのハスキーボイス。

鉄パイプでドラム缶でもぶん殴っているかのような打撲音。

ノイズ。

よく聴けば、歌詞は煙草の銘柄を並べているだけ。

「これ、すっごい人気らしいね。久しぶりに馬鹿みたいに声を出したせいでよく冷えた酒が喉にしみてまぁ…」

「だからさ!そういう発言は止めて!一番冷えていたのはスポンサーに平謝りしていた監督達だから!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る