13 妹ちゃんとお出かけよっ
「ねぇ、マジでここ入るの?オシャレ過ぎん?こんなジャージ野郎が入っていいところじゃないんじゃない?」
明らかに雰囲気からオシャレなお店の前で妹ちゃんが立ち止まるので、俺不安になっていう。
「大丈夫、だいじょうぶ。」
なんでそんな自信あんの?
俺の今の格好知ってんの?
全身アデ○ダスだぜ。
「分かったよマイシスター。」
そんなふうに疑問に思っても、やはりマイシスターには逆らえないので、俺は素直に従って店内へ足を踏み入れる。
うぅ、間接照明が俺の影を侵食していくぜ…。
「欲しいのある?」
入口付近で妹ちゃんが聞く。
「にゃい☆!!」
俺は自信満々に答えた。
「おっけぃ。じゃあ私が選ぶよ。」
そう言ってからの妹の行動は早かった。
「えっとこれと、これ。あとはこれかな。」
まるで某ホラゲーの青い鬼のような移動速度で、タイムセールの主婦のように迷いなく商品を取っていく。
ヤベェ、なんかカッケェ。
「じゃあ着てみて。」
カゴに入れた戦利品たちを俺に手渡し、ニッコリと笑う妹。
「ラジャ。」
敬礼を捧げ、俺は
「ど、どう?」
なんとか様々なオシャレアイテムを身に着けて、試着室の扉を開く。
「うん。似合ってないねぇ。下がだめだ。お兄ちゃんの短足には合わなかったね。」
外で待ってくれていた妹が瞬時に感想を述べた。
「酷い。俺の妹辛辣。」
これ、着るのに10分くらいかかったんやぞ?
渡されたのは紺のズボンに謎に裾がヒラヒラしたYシャツと、これまた謎な襟をした明るい水色の半袖上着。
この上着謎にダポッとしてるけど、これサイズ合ってる?
「じゃあこれ、着てみて。」
妹ちゃんは今度はスッとしたジーパンを渡して言う。
おい、これSサイズじゃね?
「オッケ。」
俺自身身長がでかいわけじゃない。どっちかというと小さい方なので、受け取って試着室へ戻る。
うわっ、これ入り口狭くね。
大丈夫、破れん?
ダメージになんない?
「ど、どうかしら?可愛いかしら?」
俺は付き合いたてのカップルシリーズ第二弾。彼女の試着バージョンをかます。
「うん。良い感じだね。」
妹は俺の周りをくるくると回って色んな所を見回して、そう言ってくれた。
「よっし。」
これでダメと言われたら又このパツパツパンツを脱がにゃいけないので、俺はほっと胸を撫で下ろす。
「じゃあ買おうか。あっ、お兄ちゃんコレもお願い。」
そう言って何か小さなものを渡される。
「ワッツ イズ ディス?」
俺は手に持ったネックレスと妹ちゃんを見て尋ねる。
「オォ、イッツ マイン!」
ニッコリと笑い、答える妹。
まぁ、俺とのためにわざわざ来てくれたし、こんくらいいいか。
「オッケー。」
俺は妹ちゃんの頭をぽんと叩いて、会計へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます