脳裏を巡る遠い街

 オートバイには学生時代と社会人2年目の頃と2度程、後ろに乗せてもらったことがあります。どちらも単に急いでいたという理由で駅までの道を友に乗せてもらいました。もちろん、ヘルメットを被って。たった2度だけど、私にとっては思いがけないことでもあり、まるでドラマの主人公にでもなったような清々しい出来事として記憶に残っています。でも残念ながら今となっては遠い彼方での一瞬の出来事。オートバイで走り抜けた街はどちらも遠く、その時乗せてくれた友とも今では疎遠に。一人は年賀状は交換しているけれど、もう一人は音信不通。なので、どこの街を走り抜けたかは内緒。結婚退職後、主人の実家に入って、お姑さん亡き後、一人暮らしをしていたお舅さんと一緒に暮らすようになり、妊娠4ヶ月の安定期に入った頃に、私は近くに住んでいた主人の姉に自動車教習所まで送り迎えをしてもらって自動車免許を取得しました。その頃はお舅さんも主人もマイカーを持ってましたし、私も免許取得後お姉さんから車を譲ってもらってマイカーを持ったので、車が3台もありました。でも、主人の仕事の都合もあり、引越した先には車庫が1台分しかなかったので、ファミリーカー1台に。その後も海外赴任も含めて3度、引っ越し、車も買い替えたりもしたけれど、運転歴も長くなってきましたし、今は家族の送り迎えや用事や買い物だけでなく、父亡き後、病で倒れた母の介護のことで実家や病院への行き来もあるので、ほぼ毎日自家用車を運転していて、誰の名義?って時々ご主人様にぼそっと呟かれたりする日々。三題噺をテーマにそんなことを思い巡らし、俳句を三句、詠んでみました。


木の葉散りオートバイ上後部席


冬間近ファミリーカーでひた走る


爽秋の風吹き抜けて遠い街

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