自主企画「(週刊カクヨム企画)3つの質問シリーズ。好きなジャンルについて」回答

 どうも、あじさいです。


 今回は、とざきとおる(@femania)さんの企画「(週刊カクヨム企画)3つの質問シリーズ。好きなジャンルについて」に参加してみました。

 最近は、未公開の小説を書き進めたり、他人様ひとさまの小説を読ませていただいたりしていますが、自分の作品の更新はとどこおっているので、そろそろ新しい記事を投稿したいな、と思っていました。素敵な企画に出合えて良かったです。

 企画の開催期間が短いのですが、どうやらシリーズもののようなので、興味がある方のためにURLを貼っておきます。


自主企画「(週刊カクヨム企画)3つの質問シリーズ。好きなジャンルについて」

参加受付:2021年11月18日(木)

https://kakuyomu.jp/user_events/16816700428916995859




1 執筆において得意なジャンル・苦手なジャンルはありますか?


A1. 特定のジャンルが得意と言えるほど書けていませんが、書いてきた文字数が最も多いジャンルは異世界ファンタジーです。

 苦手なジャンルはほぼ全部ですが、特に書ける気がしないのはホラーと時代劇です。

 質問の意図とはズレるかもしれませんが、コメディよりシリアスな方が得意です。というか、ここしばらくコメディに挑戦してはいるのですが、どうやって書くのが正解なのか分かっていません。また、下ネタ・性的描写を含む作品は、全く読まない、全く書かないというものでもないですが、読むのも書くのも苦手です。


2 得意なジャンルについて、そのジャンルの特徴をどう考え、ほかのジャンルとどう差別化できると考えますか? また苦手なジャンルはどういうところが苦手ですか?


A2. 異世界ファンタジーの良いところは、作品と読者の間に距離があるおかげで、テーマやメッセージを込めても生々しくならないことじゃないかと思っています。

 たとえば、『ハリー・ポッター』シリーズには魔法使い家系から非魔法使い(マグル)出身者への差別があって、マルフォイはハーマイオニーを馬鹿ばかにしていますが、これを実在する差別でやってしまうと生々しくなります。

 もちろん、多くの文学作品は現実を生々しくえがき出すことを大事にしているのですが、そういう作品はには届きにくい傾向にあります。白人から黒人への差別を描く作品は白人の人々からは忌避きひされますし、男性から女性への差別を描く作品は男性から嫌われて、時には誹謗中傷の対象になります。生々しいテーマやメッセージはそれだけで人を遠ざけることがあるのです。

 それに対して、ファンタジーのように、現実には存在しない別の事柄に置き換えて物語を作ると、読者はひとまず物語を受け止めやすくなります。ハリポタの例で言えば、みんなとりあえずハリーたちに感情移入して、「マルフォイはなんてひどいことを言うんだ」と思うはずです。そこから、物語が展開し、「親や育った環境、持って生まれた能力が大事なのではない。どんな選択をするかが大事なんだ」というメッセージが提示ていじされます。本を読んだからには、このメッセージは読者の頭の片隅かたすみくらいには残るはずです。そうであれば、日常生活の中で差別に直面したとか、自分の中に差別意識があるかもしれないとか思ったとき、この読書体験が糧となる可能性があります。

 差別問題に限らず、テーマやメッセージが生々しくなりすぎないからこそ、読者の中にすとんと落ちてくれる(可能性がある)というのは、ファンタジーというジャンルの大きな強みだと思います。

 付け加えると、テーマやメッセージが寓話ぐうわ化されていることによって、実在する特定の問題にしばられず、読者の考え方次第で様々な場面に応用できるのも、ファンタジーの良いところだと思っています。


 続いて、苦手なジャンルについて。

 ホラーについては、そもそも僕が好きではないので、書く意味も読む意味もよく分からないのが正直なところです。そうです、こわいんです。怖いのがいやなんです。とはいえ、文章の技術だけで読者の感情に揺さぶりをかけるジャンルなので、書ける人はすごいと思います。

 時代劇については、時代考証がどうにも手間に思えてならないのもそうですが、先ほど述べたファンタジーとは逆の事情になるので、自分で書こうとは思えません。たとえば、差別が差別と思われていなかった時代の話を書くと、主要キャラに(現代から見ると)差別的な言動を取らせるような必要も出てくると思いますが、これはどちらに転んでも批判される気がします。差別用語をそのまま使えば「こんな差別主義者たちをカッコよくえがくなんて」「差別用語を使っておきながら作品の中で注釈ツッコミが入っていない」という話になるでしょうし、かといって差別用語を使わなければ「この時代の人ならこれこれの人を『××』と呼ぶはずだ、歴史をじ曲げるな」みたいなことを言われるでしょう。差別の描写に限らず、時代劇は、テーマやメッセージと、リアリティや時代考証との間のバランスが難しいジャンルに思えます。僕も司馬遼太郎の『項羽と劉邦』と『燃えよ剣』は読みましたし、面白かったと思いますが、自分で書く体力はありません。


3 得意なジャンルを書いている自分の作品以外の作品で、自分に影響を与えた作品、おすすめできる作品はありますか?


A3. ファンタジー小説で大好きなのは『ハリー・ポッター』ですね。映画も良いとは思いますが、筋書きや設定の充実ぶりで言えば小説版の方が面白いと思います。中学生の頃に小説を書く原動力になってくれたのは『エラゴン』と『ナルニア国物語』です。それから、大学生の頃に読んだ『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』からも影響を受けたと思います。ファンタジーは大抵のものが多かれ少なかれそうなのですが、『パーシー・ジャクソン』って、生まれた時点でその人の運命や宿命が決まっているような作品なんですよ。「そうでないファンタジーがあるなら読んでみたい。いや、いっそ自分で書いてみよう」という思いが、拙作『ダームガルス戦記』につながったと記憶しています。とはいえ、『パーシー・ジャクソン』がそういう作品なのはギリシャ神話に着想を得ているからですし、物語としては面白く、翻訳ほんやくも読みやすいので、ファンタジーを書きたい方で未読なら読んでみても良いと思います。

 カクヨムに掲載けいさいされた異世界ファンタジーで、読んでいると「僕も小説を書きたい。書き進めなきゃ」という気になる作品は、慧(@minntonodoame)さんの『LA』です(https://kakuyomu.jp/works/1177354054890875578)。おすすめしたい作品は他にも色々ありますが(その多くには既に☆を付けているはずです)、感想を書きながらこちらも気付きを得たというのをのぞくと、直接的な影響を受けた作品は多くない気がします。




 以上です。

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

 よろしければ、これを読んだあなたのご意見もお聞かせください。


 繰り返しになりますが、自主企画や主催者様に関心をお持ちの方はこちらからどうぞ。


自主企画「(週刊カクヨム企画)3つの質問シリーズ。好きなジャンルについて」

参加受付:2021年11月18日(木)

https://kakuyomu.jp/user_events/16816700428916995859

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