What’s Done Is Done③

さて、第3回目。前回はプロットの反省点の途中で終わったので、その続きです。


このプロットを書くときが、ちょうどシンエヴァが公開された後だったんです。まあ、ご覧になった皆さん誰もが衝撃を受けた作品だと思うんですけど、プロット担当の権兵衛も余すことなくその一人になりまして、「エヴァみたいな難解で面白い作品を作りたい!」と豪語して書いたプロットがこれになります。土台は「神に捨てられた者たちへ」なんですけど、方向性としては圧倒的な庵野リスペクトだったかな笑

まあ、結果は前回もお話ししましたが、分かりにくいことこの上なくて、補足説明があって、ようやく楽しめるレベルかと思います。皆さん、どうでしたか? ちょっとそこに関しては客観的な視点で意見をいただけると助かります。


さて、反省点2点目は文の繋ぎ方ですね。

カクヨムに投稿するにあたっていくつか修正したんですけど、読者の読むリズムを崩すような文の配置が散見されたなと思います。要は、文単体の意味はわかるし、それを時系列通りに繋いで文意を汲むことはできるんだけれども、文章全体が読みづらいといった現象がしばしばありました。


そんなことあり得るのかよ、と考える人工知能の方もいらっしゃるかもしれませんので、本作での例をお見せします。


 ***


(修正前)

 店内では午前十一時を彷彿とさせる、アップテンポの洋楽が流れていた。いま流れているのは、七十年代のポップスだろうか。まるで兄妹のような男女のハーモニーに心揺られながら、Aは目の前に座る少女の回答を待った。


 ややあって、少女はふてくされた顔で質問に答えた。


「……Bです」




「ほらやっぱり……」


(修正後)

 店内では午前十一時を彷彿とさせる、アップテンポの洋楽が流れていた。いま流れているのは、七十年代のポップスだろうか。まるで兄妹のような男女のハーモニーに心揺られながら、Aは目の前に座る少女の回答を待った。


「……Bです」


 少女はふてくされた顔で質問に答えた。


「ほらやっぱり……」


 ***


もちろん、これが正解とは限りません。最低限しか直していませんし、僕らも文章の達人を自負するほど達筆ではありませんから。


ただ、「少女はふてくされた顔で質問に答えた。」の位置をセリフの前に置くか、後に置くかで物語の読みやすさは断然変わると思います。

前にあると読者は「ああ、少女は何か(この「何か」は読者の想像を超える「何か」)を言うんだろうな」と思わせられるし、後にあると読者は急にBのセリフから始まるので引き続き物語の流れに身を委ねることができます。


この文章の繋ぎ方が上手くなかったな、と思います。


何言ってるか、分かりづらいですよね。しばらく考えてみたのですが、いい例えを思いつきました。

「フルコースを食べている時、メインのタイミングで前菜が出てきたような心持ち」のような文章、と表現がわかりやすいかもしれません。まあ、わからなければ個別に相談に乗ります。


と言うわけで、2つ目は文章のうまさでした。次回は3つめ、もしくは語りきれなかった物語の内幕を語っていきたいと思います。

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