第1425話 ポメを

「それはそうとして、私からも質問シテもいいか?」

「何でしょう?」

「う、うむ、そのだな、私がルーマンの創造神アリアドの後継者という事はヨシノブも知っているだろう。」

「・・・はい。そうなんですね。」

「知らなかったのか!」

「アリアドさんの息子さんということは知ってますけど後継者とまでは知りませんでした。」

「父の子は私だけだからな、必然的に私が後継者になるのだ。」

「なるほど、一人息子だから叱れなかったんですね。」

「うるさい!今はそんな話をしているんじゃ無い!」

「それで何の話でしょう?」

「うむ、私も此処での訓練が終われば自世界に帰るのだが、その時にポメを連れて帰りたい。」

「ポメを?」

「変な意味では無いぞ、ポメには世話になったからな、恩返しも含めてポメに私達の世界を案内したいのだ。」

「まあポメが行きたいと言うなら私が止めることはありません。」

「そうか!ならばポメが良いと言えば連れて行っても良いんだな!」

「はい、問題はありませんよ。

まあ日程の調整とかはしないといけないと思いますけど。」

「うんうん、それはいい話だ。」

聞いているのかわからないがフランコは嬉しそうに笑顔を見せていた。


「わふぅ?ポメはおとうさんのお家にいるのですよ。」

「えっ?」

フランコは喜びを隠せずその日の夕食の時にポメを誘うのだが、ポメからは拒絶の言葉を貰う。


「ポメ、私の世界で盛大に歓待したいのだ、ついて来てくれないか?」

「歓待はいらないのです、おとうさんのお家が一番なのです。」

ポメは家族の匂いが沢山ある家を好む、今でこそ仕事で外に行く事もあるがなるべく早く家に帰るようにしているし、出先にはショウの匂いがついた物を持っていく事も忘れていない。


「ヨシノブからはポメが行ってもいいと言うなら一緒に連れて行っても良いといわれたのだが・・・」

「良くないのです、ポメはお家を守るのが最大の楽しみなのです。

・・・クンクン、ショウ兄なのです。」

ポメは話の途中なのだが鼻を鳴らすと入口の方に向い走っていく。

「ポメ?」

フランコはポメの動きを目で追いかけるのだが、そこには少年が一人部屋に入ってくる。


「ショウ兄、ショウ兄♪」

ポメは飛び飛びしながらショウにかきつこうとする。

「ポメどうしたんだい?」

「ショウ兄、ダッコなのです。」

「仕方ないな、ほら。」

ショウはポメを抱き上げる。

「わふぅ、ショウ兄なのです。」

ポメはショウに両脇を持たれ高い高いするような感じで持ち上げたのだが、ポメはそのままぎゅっとショウを抱きしめる。


「ちょ、ポメ、離れなさい。」

「いやなのです、もっと遊んでほしいのです。」

ショウとポメのいつものやり取りではあるのだが・・・


「ヨ、ヨシノブ・・・

あれは止めるべきでは無いだろうか・・・」

フランコはショックを受けたように二人を指差し震えていた。

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