第1423話 食事風景
フランコが案内されたのは子供達が多く食事をする食堂であった。
「ポメここは子供が多いな。」
「わふぅ、みんな訓練生なのです、日々訓練をして心身を鍛えるのです。」
「まだ遊びたい年頃の子もいるだろう。」
「みんな自由に学んでいるのです、此処にいるのは戦闘だけじゃないのです。」
「なに?アキラ殿に戦闘を学んでいる者では無いのか?」
「学んでいる子もいるのです、でもみんな学ぶ項目は自由なのです。」
「自由?ここはアリアを支える人材を育成する場ではないのか?」
「そうなのですよ、でもみんな得意な事は違うのです、自分に合ったことを最大限に伸ばして家族の為に使うのが一番なのです。」
「強き者が一番ではないのか?」
「そんな考え方はおかあさんに怒られちゃうのです。
大事なのは家族の役に立つことなのです。」
「強さだけでは無いのか。」
「強さだけじゃないのです。
ポメは強く無いけどみんなの役に立つように頑張っているのです。」
「立派な事だな・・・」
フランコはポメの考えに関心を持つ、これまで神とは強き者であり、他の事は些事であり誰かの為にという考えは無かったのだ。
「ポメ、今日はとんかつだぞ。」
「わふぅ、お肉なのです。」
お肉と聞いてポメの尻尾がブンブンと振り始める。
「わん、フランコさん、今日はとんかつなのです、ここで並んで料理を受け取るのです。」
「並ぶのか?」
フランコにすれば並ぶ事自体初めてであった。
「並ぶのです、順番を守るのは大事なのです、小さい子供でも出来ることなのです。
お姉ちゃんのポメはちゃんと待てが出来るのです。」
フランコは周囲を確認するが周囲のほとんどがただの人である、神になっているポメが人たる者を気にしている事に違和感がある。
「ポメ、周りは人であろう、神のお前が気にするような存在か?」
「神も人も関係無いのです、みんな家族なのです。
みんな仲良くするのが大事なのです。」
「人も家族なのか・・・」
「そうなのです。
それよりフランコさん、順番が来たのですよ、早くお盆をとって席に行くのです。
後ろの子達が待ってるのです。」
フランコはポメに促され、食事ののったお盆を取り席に向かう。
「この辺りに座るのです。」
「席が分かれていないが?」
「長椅子なのです、年長さんは下の子の面倒をみるために長椅子を使用しているのです。」
「驚く事ばかりだな、神のお前も人の子の面倒をみるというのか?」
「みるのです、ポメはお姉さんなのです。」
ポメは胸を張り堂々と答える。
「ポメお姉ちゃん、食事前に騒いじゃダメなんだよ、ホコリがご飯に入っちゃうから大人しく座るの。」
「はぅ、ごめんなさいなのです。」
ポメは年下の子から指摘され素直に謝る。
その姿からは人と神も関係無い、フランコはこの関係性に驚きを隠せないのであった。
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