第1422話 フランコの目覚め

「うわぁ!!」

フランコが目を覚ますとそこは知らない天井だった。

「ここは・・・」

「わふぅ、目が覚めたのです。」

「犬の女神?」

「ポメなのです。」

「そうか、私はフランコというのだが、此処は何処なんだ?」

「ここは医務室なのです、フランコさんはおじいちゃんに倒されて運ばれてきたのです。」

「おじいちゃん?あの鬼の孫なのか!」

「正確には違うのです、おじいちゃんはリョウ兄とハルくんのおじいちゃんなのです。」

「リョウニイとハルクンというのはわからないが、私はあの鬼に倒されたのか・・・」

「落ち込むことは無いのです、おじいちゃんはサイキョーなのです。」

「いやしかし、神として・・・」

「おじいちゃんは神も関係無いのです、サイキョーなのです。」

「たしかにそうかも知れないな。」

フランコはポメの純粋な言葉を否定する気にもなれない、そして初めての敗北を噛み締めていた。


「わふぅ、元気を出すのです、男の子は高い壁と対峙した時に成長するって聞いたのです。

フランコさんは今高い壁に出会っただけなのです、壁を乗り越えれるかどうかはこれからのフランコさんにかかっているのてすよ。」

「そうか・・・そうかも知れない。」

「おじいちゃんは時間があれば訓練を見てくれるのです。

フランコさんも参加したら良いのです。」

「あの鬼と訓練をするのか!」

「おじいちゃんと直接戦闘するのはおとうさんとリョウ兄、マックスぐらいなのです。

おじいちゃんはちゃんと力量にあった訓練をしてくれるのです。」

「教えるのも一流なのか・・・

すまないポメ、おじいちゃんの名前を教えてくれないか?」

フランコはあらためて自分を倒した者の名前を聞くことにする。

「アキラおじいちゃんなのです。」

「アキラ・・・

天津神秘蔵の人型決戦兵器か!

あれは制御不能という話では無かったのか!」

「わふぅ?おじいちゃんは優しいのですよ?」

「なんとヨシノブは制御方法を見つけていたのか・・・」

ヨシノブを見下していたフランコではあったがヨシノブ傘下にアキラが存在しているとなるとアリアの戦力を侮る事は出来ない。


「それより、食事の準備が出来たのです、新しい訓練生をみんなに紹介したいのでついてくるのです。」

「新しい訓練生?私がか?」

「違うのです?おじいちゃんに訓練を見てもらわないのですか?」

「いや、たしかに訓練を受けよう。」

「それなら訓練生なのです、」

「たしかにそうだな。」

ポメの裏表の無い言葉はフランコの傷ついた心を癒してくれるように感じる。


「じゃあ行くのです♪」

「わかったついて行こう。」

ポメに手を引かれ食堂へと向かう、その姿に当初の傲慢さは影を潜めていたのだった。

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