第1421話 訓練開始?

「それでアンタは俺を何処に連れて行くつもりだ?」

フランコは内心ワクワクしながらヨシノブに聞いていた、父親のアリアドが治める世界パライソは地球に負けず劣らず発展した世界である、他の世界の神々は地球にある物を珍しがり欲するが、パライソには似たような物があり、地球に媚びる必要など無い、むしろライバル心から地球への反発もあった。


「まずはフランコさんの力量を測らせていただきます。」

「ほう、ならアンタが相手をしてくれるのか?」

「いえいえ、おっしゃる通り私は戦闘系では無いのです、ですので鬼を一人ご紹介させていただきます。」

「鬼?神の私に鬼ごときが相手になるとでも?」

「それは心強い、是非討伐してください。」

「なんだお前は自分の世界の鬼の一人も退治出来ないのか?」

「はい、倒せません。」

「神として恥ずかしいと思え!まったく、情け無い奴だ、つまり力量を測ると言いながら自分が倒せない鬼を討伐させたいだけなんだな。」

「ええ、是非お願いします。

おっと、この訓練所にいますので全力で倒してください。」

「まったく・・・」

フランコは文句を言いながらも下手に出るヨシノブに満足していた。


「遅いぞ、ハルくんのお昼寝の時間だけというからきたのじゃ。

早く済ませるぞ。」

「すいません、この人が訓練希望者です、よろしくお願いします。」

「ついでじゃヨシノブと二人がかりでこい。」

「いや、俺はえんりょ・・・」

「問答無用!いくぞ!」

「くっ!フランコさん、来ます!すぐに戦闘準備を!」

「なっ!!」

いきなりの訓練開始にフランコは対応が遅れ、アキラの一撃を受け壁に吹き飛ばされる。


「あっ!生贄が!!」

「ほぅ、やはりお前はロクな事を考えぬな。」

「あっ、いや、今のは間違い・・・」

「訓練をサボろうとするやつは教育がいるな。」

「その教育は孫にお願いします。」

「リョウにもやるが、まずはお主からじゃ。」

「くっ、神域結界!!」

俺は会話しながら練り込んだ神威で堅固な防御結界を張る。

「やれやれ、逃げの一手ばかりを考えおって。」

「アキラさんでも破るのに少しは時間がかかるはず!

今のうちにフランコさん!目を覚まして!鬼がいます!神のチカラを見せる時ですよ!!」

俺はフランコに声をかけるが初撃をモロに喰らったフランコは気を失っていた。


「なっ!おい、起きてくれよ!起きて戦って、アキラさんを満足させてくれよ。」

俺は揺さぶるがフランコは気を取り戻さない。


「さてヨシノブ、もう良いか?」

「アキラさん?」

「ふん!」

アキラが地面を踏み込むと地割れとともに俺の結界も破壊される。


「なっ!結界が!」

「甘い、この程度で人の歩みを止めれると思うな!」

「人なら止まるんだよ!」

俺はアキラに向けビームを放つがアキラはあっさりと斬り捨てる。

「さて、覚悟はできたか?」

「ま、まって、近接戦闘はちょっと・・・」

「軟弱な、刀を取れ。」


「・・・うわぁぁぁん」

俺が戦闘に移ろうとしたところ遠くからハルノブの声が聞こえる。


「ぬっ、ハルくんが起きたか、ならば稽古はこれまでじゃな、そこの軟弱者は後日訓練を与える。」

「あ、ありがとうございます!」

俺は礼をして終わる。

今日もなんとか訓練を生き残れたのだった。

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