第1420話 アリアドとフランコ

「なんで俺がこんなところに来なきゃいけないんだよ。」

フランコは不平不満を言いながらアリアドにつれられヨシノブの前にやって来る。

「フランコ、ヨシノブ殿に失礼だぞ。」

「ちゃんと挨拶をしろ!」

「へーい、俺はフランコ、既に格は一級神だ、わかったならその軽い頭を地面に擦り付けろ。」

「おいフランコ!失礼口を聞くな!」

「アリアド殿のおっしゃるとおり、だいぶ歪んでますね。」

「お恥ずかしい限りです。」

「親父、こんな奴に頭を下げる必要なんてない。だいたい俺より強いのか?

お前は創造系の神だろ?」

「ええ、創造系ですが。」

「あー、話にならない、創造系なんて戦闘じゃ弱いだけだ、俺は俺より弱い奴の話なんて聞く気はない。」

「こらフランコ、ヨシノブ殿に失礼だぞ。

ヨシノブ殿申し訳無い、先日話していた通り、ワガママ放題に育ってしまったのだ。

だが、このまま私の後を継がせる訳にはいかない、なんとか教育してほしいのだが。」

「つまりこの性格を直す必要があるんてすね。」

「できますか?」

「荒療治になりますし、この性格には戻れないかも知れませんけど、問題ありませんか?」

「お願いする、ヨシノブ殿の子供達のように他者を気遣い、様々な事検討する子に育ててほしい。」

「そこまで上手く育つかわかりませんが、全力を尽くします。」


「おい!聞いてるのか!俺はお前から教わる事なんて一つも無いんだ!

それより親父さっさと話を終えてオリンピア観戦に行こうぜ。」

「フランコさん、アリアド殿から頼まれた以上、教育を開始させてもらいます。

まずはその性格から直しますが、くれぐれも言います。

全力で生き残ってください。

相手は加減の知らない鬼です。」

「はぁ?神の俺様相手に鬼?舐めてるのか?」

「鬼は比喩です、フランコさんの教官は人です。

その人を倒せればすぐに教育修了としてかまいません。」

「おっ、言ったな、すぐに倒してやる。」

「それではこちらに、アリアド殿、フランコさんをお預かりさせてもらいます。」

「どうかよろしく頼む。」


アリアドはフランコの振る舞いに情けなさを感じる、自世界ならまだしも他世界の神に敬意を払えない姿は他世界との戦争に発展してもおかしくない、そもそも創造系のチカラを持つ者はその世界の最高神であることが多い、ヨシノブは流してくれたがその発言だけでも、様々な世界の最高神を侮辱しているのだ。

後日フランコを迎えに来る時には今回の謝罪と礼を込めて相応の宝物を持参する事を決めるのだった。


「では、失礼します。」

「ほら、さっさと行けよ!」

どこまでもヨシノブに失礼なフランコにアリアドは頭が痛いのであった・・・

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