第1419話 オリンピア開催中だが

「なに?ゴミが湧いて出ていたのか、しぶとい奴め、タケミカヅチさんも始末してくれればよかったのに。」

ヘルマンの下にオルデンが現れたとの報告が来るがそれと同時に逃走したとの報告も受ける。


「ヘルマン、やはりルシィラの支配権を完全に奪い取り干上がらせる必要があるな。」

「すでにあらかた支配権は確保したんだが、完全に信仰心を捨てない者もいるからな。」

「ローザに頑張るように伝えておくよ。」

「それだけじゃ足りないな、防犯カメラの映像を探すぞ、神テレビにゴミの醜態を放送する。」

「なるほど、神界の方にも悪評を伝えるのか。」

「オルデンに味方する者が出たら面倒だからな、特集を組んでオルデンの犯した蛮行及びルシィラの有り様、それともにおとうさんがルシィラにかけた慈悲の心を放送する。」

「いい考えだな、すぐに実行するように手配する。」

この日より神テレビではオルデン下げの放送を行う、オリンピアの開催もあり、神界での視聴率も高かった事からオルデンの蛮行は広く知れ渡る事になるのであった。


「ヨシノブ殿は若くして、神々の祭典を開催出来るとは中々の器量持ちですな。」

俺はオリンピアの開催もあり、様々な世界の神々なら挨拶を受けていた、その中でも地球と同じぐらい発展している世界の最高神アリアドと対談していた。


「あはは、子供達が優秀ですので私など何もしていないようなものです。」

「ご謙遜を、子供とはいえ神になりたての者を導くのはさぞ大変な事でしょう、私の子などは学業もサボりがち、いやはやヨシノブ殿の子供達を見習わせたいものです。」

「いえ、全て子供達の頑張りです。

私なんかはただ見ているだけですから。」

「どうでしょう、私の子を少々鍛え直してくれませんか?」

「鍛えなおす?アリアド殿のお子さんをですか?」

「そうなのだ、私の下では周りが忖度してしまい、つい甘やかしてしまう。

ヨシノブ殿の子供のように立派に教育してもらいたい。」

「ですがアリアド殿のお子さんともなれば私達とて忖度しかねないのです。」

「いやいや、親元を離れる事が第一、それに私に忖度する必要などありません、ビシバシと鍛えていただければそれでかまいません。」


「うーん・・・」

アリアドにビシバシと言われても、うちでビシバシするのは些か問題のある人が何人か思い当たる。

「お願いしたい、このまま成長すれば他世界に迷惑をかける神になりかねん、成長する前に厳しく指導を願いたい。」

アリアドは深く頭を下げる。


「頭をお上げください、そこまで頼まれれば否とは言えませんが、うちの教育は厳しすぎる事もあります、どんな教育をしたとしても私達に否を求める事はしないと約束願いたい。」

「厳しいのは望むところ、よし、神威を使った約定を交わそう。」

「神威を使った約定?」

「まだ知らぬのか?この約定なら不履行になった場合、強制的に約束を履行する事になるのだ。

私は我が子フランコの教育に対して口を挟まない、否を求めない。

不履行の場合、我が神威の半分をヨシノブに授ける。」

「神威の半分を!!」

「そうだ、私の覚悟をわかってくれたか?」

「わかりました、お子さんをお預かりします。

必ずや一人前にしてみせます。」

「よろしく頼む!命さえあればどんな目に合わせてもかまわん、厳しく頼む。」


俺は断りきれなかったとはいえ、難題を抱えることになった事に頭を痛めるのであった・・・

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