第1418話 醜態のあとに・・・
「何故神威がたまらない!
あの程度の攻撃を防げないなんて!!」
オルデンを部屋に帰したパスは自らの不甲斐なさを嘆く、ヨシノブの襲撃から何日も経過している、神威も回復しても良いはずなのだが未だに殆ど回復出来ていない。
その為、タケミカヅチの一柱の攻撃に二人がかりでも防ぐ事が出来ず無様な醜態を晒す事になってしまったのだ。
「パス様、あのこれを・・・」
部下の一人セルクが封筒をもってくる。
「なんだ?あとにしてくれないか?」
「いえ、出来れば早く。」
「だからなんだと言うのだ・・・
うん?退職届?お前は辞めると言うのか!」
「はい、退職させてもらいます。」
「まて!お前には随分目をかけてやっただろう、何故今退職しようとするのだ、今我等の社が苦しい時だと言うのがわからないのか!」
「ですが、給料も半分以下になっていますし、それに、これ以上此処にいたら共倒れになってしまいます!
私には家族もいるんです、転職先があるうちに他にいかないと!」
「たしかに今は苦しい思いをさせているのはわかっている、だが安定したら当然前より高い給料にしよう。」
「もうそんな話じゃないんです。」
「なんだとこの恩知らずが!この苦難を前に自分の保身しか無いのか!」
「私は誘拐犯とは関係無い!!」
「な、なに・・・」
「オルデン様が天津神のヨシノブの妻を誘拐したから我々の社が攻撃されたのでしょう。」
「待てその話はどこから・・・」
「もう多くの者が知ってますよ、それに今アリアで行われている祭典での御二方の失態も含めて映像付きで流れています。」
「な、なんだと・・・」
「退職金はいりませんので、今すぐ辞めさせてください!」
「待てセルク!お前が抜けると管理に更に穴が開く、せめて規約通り一ヶ月は我慢してくれないか!」
「一ヶ月あっても全部有給で此処には来ません、私は誘拐するような者に仕える気はありません!」
セルクの意志は固く退職届をおいてその日のうちに出ていく。
若手の有望株でもあったセルクの退職は多くのルシィラの神々に衝撃を与える。
これまで復旧の為に全力を尽くしてきたが退職という新たな道を認識してしまったのだ・・・
「なに、アマンドも退職届をおいて社に来ていない?
これじゃ管理する事も出来ないじゃないか!!」
次から次にと退職届を出していく者が増えていくのだった・・・
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