第1416話 衝撃の発言

「ヨシノブ、何の話をしている?

カルラちゃんとはあのカルラちゃんか?」

「ええ、そこでお茶の用意をしてくれているカルラですよ。」

カルラはお茶の用意をすませて俺達に出してくる。


「あはは、冗談が過ぎるな、そうなると私は自分の世界の神にお茶を用意させた者になるじゃないか。」

「なるほどそうなりますね。

いやぁ流石賢王と名高いルーズさん、神にお茶を用意させた初めての王になりますね。」

「・・・ヨシノブ、冗談と言ってくれ。」

「本当です、現在カルラを中心にマインズ王国全域及びローラン王国、魔王国、ヒンメル帝国の半分ぐらいは子供達が管理する世界になっていますよ。」

「本当なのか?」

「本当ですよ。」

俺が冗談を言っていないと感じたのかルーズは頭が痛そうにする。


「お父様、こちらにいると聞いてまいりました。」

ルーズが悩みを抱える中、リズとリーナが部屋にやってくる。

「おお、二人とも元気にしてたか?」

「リーナは元気です。」

「勿論です、美味しい物を食べて元気に過ごしています。」

相変わらずのリーナとリズにルーズの心は癒される。


「カルラ〜私もお茶とイチゴのショートケーキがほしい〜」

「私はモンブランでお願い。」

「リーナがイチゴのショートでリズがモンブランね。

二人ともお腹まわりは大丈夫?」

「カルラ〜それは言わない約束でしょ!カルラだってこの前体重計に怯えていたじゃない。」

「そんな事無いわ、リズおとうさんの前で何を言うのよ!」

「カルラから聞いてきたんでしょ、私だってお父様の前なのよ、それなのにお腹まわりを聞くなんて・・・

聞くなんて!!」

リズは少し自分のお腹を摘み・・・見ないことにした。

「あとでダイエットだからね。」

「カルラもね。」

二人のやり取りに俺は微笑ましい物を感じるのだが、流石に父親の前でする話ではない。


「カルラ、リズさん女の子の話は女の子だけの時にしてね。」

「あっ、おとうさんごめんなさい。」

「あう、ヨシノブさんごめんなさい。」

二人はすぐに謝ってくれる。

二人とも素直な子であり、互いに親しくなったからこその軽口だったのは俺もよくわかっていた。


「ヨシノブ、娘がすまない。」

気が気でないのはルーズだけだった、今しがたカルラが神と聞いたばかりなのにその神に向い娘が失礼な言動をしているのである、頭の痛みは尋常では無かった。

「いえいえ、ルーズさんが謝る事では無いです、うちの娘こそリズさんをからかうような発言をして申し訳無いです。」

俺達は互いに謝り合う。


「ルーズさん、申し訳ありません。」

俺が謝っていることにカルラも焦りルーズに謝罪する。

「いやいや、二人とも謝る事ではありません、うちの娘の方が非礼な真似をしたのです。」

ルーズがリズを叱ろうと向き直すとリーナがルーズの手を引き止める。

「リーナ?」

「お父様、ヨシノブさん、お二人は謝っていますが私達は友達で家族なんです、互いに冗談を言うのはいつもの事なんです。

それを気にしていたら気まずい関係になってしまいます。

謝るのは止めて、ケーキを楽しみましょう♪」

リーナの言葉の通り謝り続ける事も無いかと思う。


「たしかにそうですね、ルーズさん、公式の場では駄目かも知れませんがプライベートな時は互いに無礼講という事にしませんか?」

「しかし、神であり世界を管理している御方に無礼講とは・・・」

「私達は後天的に神になったのです、関係性が多少変わったとはいえ、友人として家族としてお付き合いしたいという気持ちに変わりはありません。

これからもよろしくお願いします。」

「わかりました、カルラちゃんも無礼な娘だがよくしてやってください。」

「はい、でも無礼とかお気になさらず、私の方こそついからかってしまって申し訳ありません。」

「カルラと私は友達、からかうのは仕方無い。

でもお腹はカルラだって・・・」

「ちょ!リズ、お腹はつままない!

おとうさんの前なんです!」

「関係無い、カルラのお腹はポニョポニョ〜」

「違うから!おとうさんちがうんですよ〜」

仲良さそうに騒ぐ二人に俺とルーズも謝る必要が無い事を悟るのであった。

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