第1405話 性自認
「失礼ですが受け入れる事を強要するのは違うと思います。」
サリナがアンナの前に立ちアンナを否定する。
「おい、あれは聖女様じゃないか?」
起き上がり様子を見ていた記者達が反応を示す。
「貴女は何を言っているのです。」
「トイレなど女性のパーソナルスペースに男性が入って来ることが問題だと言っているのです。」
「貴女は性差別主義なのですか!世の中には男性として産まれながらも心は女性という人もいるのです。」
「身体が男性なら男性として扱うべきでしょう。
いくら心が女性だと訴えた所でそのような方と2人で入れば不貞を疑われるでしょう。」
「そんな事はありえない!彼女は性の対象も男性なのですから。」
「どうやら貴女とは価値観が違うようです。」
「聖女と呼ばれていても差別主義者だったのですね。」
「別に私は聖女と名乗っている訳ではありませんよ。」
サリナはアンナに何を言われても気にする様子も無く話している。
「妻を差別主義者と呼ばれては旦那としては面白く無いね。
要は性自認によって性別が決まればいいのか?」
「えっ?」
俺の言葉にアンナが固まる。
俺は神域を展開し、一つの部屋を作る。
「この中に入ると人生で一度だけ性別を変える事が出来るようにした、正し、当然だが運動能力など全てその性別に準じた物に変化する、勿論生殖機能もだ。
今回のオリンピックでは男性が女性の種目に出て金メダルを獲得したようだが、まずは彼に入って証明してもらおうか。
イゾウさん連れてこれる?」
「やれやれ、お主は斜め上の行動を取る・・・
大丈夫じゃ、お主の作った選手村におったわ。」
イゾウはすぐにボクシング女子で金メダルを取ったカルマを連れてくる。
「な、なんなんです、ここはいったい!」
「カルマ選手、貴方は女性で間違い無いですか?」
「えっ、も、勿論女性です!身体が男性として生まれてしまっただけです!」
「そうですか、それなら貴方には朗報ですね、この部屋に入れば完全に女性なる事が出来ます。
ただしこれは人生で一度しか使えない代物です。」
「えっ、一度だけ?」
「勿論、本来性別をコロコロ変える訳にはいきません、ただ今の世の中貴方のように困っている人がいると耳にしましたので救済処置として作りました。
さあ中へお入りください。」
「ま、待ってください、これに入ったらどうなるんですか?」
「貴方が女性になります、運動能力、見た目、生殖機能全てが女性として変化します。」
「運動能力が女性になる?」
「ええ、これまでの貴方の人生をふまえた上でそのトレーニングを行った女性に相応しい筋力に変化します。」
「・・・ま、まってくれ、いきなり言われても心の準備が出来ていない。」
「なら私としてはいつでもよろしいですが、各国のメディアの前です、女子ボクシングの金メダリストとしてその姿は大丈夫ですか?」
カルマが周囲を見ると記者の視線とカメラが自分に向いている。
カルマは覚悟を決めて一歩ずつ部屋へと向かうのであった・・・
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