第1398話 真実のジャッジ
俺は朝早くから全ての会場に神威をかけていく。
「ヨシノブ、お主は自分で転移しろ。」
「イゾウさんいつもありがとうございます。イゾウさんの転移の方が効率良いんです。」
「まったく、アキラに似て人使いが荒いのう。」
「アキラさんと似る要素はありませんからね。
それにいつも朝から散歩しているじゃないですか、ちょっと足を伸ばしただけだと思ってください。」
「散歩で転移は使用せん。」
「それにイゾウさんの使用許可はアキラさんに頂いています、文句はアキラさんにお願いします。」
「あやつめ・・・」
「まあまあ、平和の祭典の為の行為という事で抑えてください。」
「平和の祭典にお主は何を仕組んだのだ?」
「仕組んだとは人聞きが悪い、ただ、誤審が少なくなればと思い、会場の審判をする方が正しい事しか言えなくしただけです。」
「・・・それは正直者の呪いといつやつか?」
「呪いとは酷い言い方ですよ、祝福と言って欲しいです。」
「わかって言っているだろ。」
「まあ、選手の頑張りを部外者の思惑で汚して欲しくありませんから、それに子供達も観てます、ルールに従い正々堂々行うことが大事でしょう。」
俺の神威により各会場ではこの日から誤審が無くなるのだが・・・
「どうなっている!!」
試合が終わったあと審判団はタンゲのもとに呼び出されていた。
「どうなっているも何もジャッジをしただけです。」
「黙れ!何故猿どもが勝ち残るようなジャッジを行っている!」
それぞれが顔を見合わせる。
「じ、じつはそれ以外の行動が取れなかったのです。」
「なに?」
「私達も後で確認したのですが、副審及び主審ともに判断したジャッジがそのまま声になり、体も勝手に動きジャッジを行っているのです。」
「そんな馬鹿な話があるか!!
・・・いや、ヨシノブが何かしたのか?」
タンゲはヨシノブが日本で見せた真実を話す呪いを思い出していた。
「忌々しい邪神め!」
だが思い出した所で人であるタンゲに出来る事は無い、面と向かってヨシノブとやり合えば勝つことは難しい、そもそも真実を話す訳にはいかないのだ。
「ジャッジは仕方無い、くれぐれもヨシノブと争う事態は避けるように。」
「はい。」
タンゲは苛立ちを隠しながらヨシノブが過ぎ去る事を選択するのであった。
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