第1396話 平和な選手村
俺の選手村の開設のニュースと同じ時間にフランスの記者が俺の事をレイシストとして報道する。
「ヨシノブは神でありながら、黒人の歴史を隠蔽し、彼等がサムライだった事を認めようとはしない!
彼は差別主義者なのだ!!」
一部の界隈では一瞬盛り上がったのだが・・・
「ヨシノブ氏が選手村を作り、各国の選手を受入れたぞ!」
選手村の開設により、ヨシノブがレイシストというのは無理が発生する、ヨシノブは黒人達も分け隔てなく受入れており、レイシストと呼べるものでは無い。
「こんなのは偽善だ、私に指摘されたから当てつけで行っているだけだ!」
記者は顔面蒼白になりながらも騒ぎ立てている。
だが、選手達一同は試合後の会見でヨシノブに感謝の言葉を述べていた。
「今日、全力を出せたのは選手村を提供してくれたヨシノブ様のお陰です。
まずは感謝の言葉を捧げたいと思います。」
国籍も人種も関係無く、それぞれが感謝の言葉を告げる状況にヨシノブをレイシストと呼ぶ声は小さい物となる。
そんな中、選手村では祝勝会が行われていた。
それぞれの種目で金を取った者に国も競技も関係無く祝うのだ。
「みんな楽しんでくれていますか?」
「ヨシノブ様!美味しい酒の提供ありがとうございます。」
「終わってない人は飲み過ぎないようにね。」
「勿論です、俺は初日で終わりましたのでこれからは宴会選手です!」
「それはいい、是非みんなを盛り上げてください。」
「おお!!」
「くっ、なんで俺の種目は最後の方なんだ!」
「ああ、体重を気にせず飲み食いしてぇ〜」
「駄目ですよ、カロリー制限のある人たちはそれぞれのメニューを食べてください。」
「リミちゃん、それは殺生って奴だよ、こんなにご馳走が並んでいるというのに・・・」
「駄目です、大会に最善を尽くすのが皆さんに与えられた課題です。
本分を忘れないでください。」
スタッフだけでなく、リミ達子供会は目を光らせ選手達の体調管理を行っている、大会が終わらないと全力で遊べないのだ。
「フランスの選手村なら食事制限を気にすることは無かったのだけどな。」
「それは不味いし、料理が少ないだけじゃないか。」
「それはそうなんだがな。」
「まあ、お前だけ帰っても良いぞ、お前の分は明日試合が終わった俺が食べておいてやる。」
「やだよ、今更あんな所に戻れるかよ。」
多くの選手が当初の選手村に不満を持っていた、出ていった者達は再び戻りたいとは思わなかった。
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