第1394話 記者と雑談
セーヌ川を綺麗にしていると俺は記者に囲まれていた。
「貴方がヨシノブですね?」
「ええ、見る限りフランスの記者ですか?」
「そうです、日本の神を名乗るヨシノブに質問があります。」
「何でしょう?」
「日本のサムライは黒人の血が入らないと一流になれないというコトワザがあるそうですが、ヨシノブにも黒人の血が入っているのですか?」
「はぁ?何そのコトワザ、初めて聞いたんだけど?」
「ヨシノブは知らないのですか?信長に仕えた伝説的サムライの弥助の話に出てきますよ。」
「弥助?たしかに信長が宣教師の連れていた黒人奴隷に興味を持って引き取ったっていう弥助?」
「奴隷ではありません!護衛として連れていた弥助を信長がその高い能力に惚れ込み、権力に逆らう事の出来なかった宣教師が致し方無く差し出したのです。」
「そんな話聞いたことも無いけど?」
「なんと無学な話でしょう、当時の日本は信長が連れている弥助を見た他の大名が黒人を奴隷にするのが流行っていたというのに。」
「無い無い、黒人がそれ程多くいたのなら歴史の資料にも多く残っているだろ?」
「それは日本がその後民族浄化を行い黒人奴隷の痕跡を抹消したからであり・・・」
「筆まめの日本人を馬鹿にするなよ、そんな虐殺を行えば誰かの日記にでも記されているだろ。」
理由のわからない歴史の話をしてくる記者に頭を悩ませるのだが・・・
「ヨシノブ!貴方はレイシストだ!」
「はあ?」
「頑なに黒人が日本にいた事を認めようとしない!」
「認めないって、資料はあるんですか?」
「ある、この本に書いてある。」
記者の一人が本を出すものの・・・
「これって小説ですよね?
これを資料というのは乱暴でしょう?」
自信満々に出された資料に俺は逆に困惑する、こんな物を見せられた所でフィクションにしかならない。
「くそっ!覚えていろよ!」
不満気に帰っていく、記者の一人を眺める。
「えーと、記者さん達、あれがフランスの記者の普通なの?」
俺は他の記者に確認する。
「フランスには最近多いですね、LGBTが流行り過ぎて、もうおかしな事になっています。」
「貴方は何処の国の記者なのですか?」
「イギリスです、ヨシノブ様には我が国に色々配慮していただいている事に、イギリス国民として感謝致します。」
「どういたしまして、と言っても私の方も色々お願いしてますから、お互いさまですね。」
「そんな、ヨシノブ様がなさっている事は神の領域にございます、そのヨシノブ様からの御依頼なら従うのは当然でありましょう。」
「それほど対した事はしてないからね、しかしフランスがそれ程酷くなっているとは・・・」
「オリンピックで恥を晒す事になっております。」
「開会式は酷かったみたいだね。」
「それだけではありません、選手村にエアコンが無いとか、食事に制限があるとか、もう問題だらけです。」
「そうか、アスリートの方々にはベストな状態で競って欲しいと思うけど・・・」
俺は伝え聞くフランスオリンピックの酷さになんとかしてあげたいと思うのであった。
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