第1393話 フランスの悩み
「ヨシノブ氏、よく来てくれた。」
フランス大統領、ロマン自ら出迎えてくれていた。
「ロマン大統領、はじめまして。」
俺はロマンと握手を交わす。
其処にはパリ市長アンナが隣に控えており、軽く挨拶をかわす。
「本日はどのような要件なのでしょう?」
「アンナ市長、説明を。」
「ヨシノブさん、今オリンピックが我がフランスで行われているのはご存知でしょう。」
「ええ、まあ・・・」
忘れていましたとは言えない雰囲気があった。
「そこで問題が起きたのです。」
「なんでしょうか?」
「セーヌ川でトライアスロンの水泳を行うことはご存知ですか?」
「まあ、なんとなく?」
「偉大なセーヌ川で泳ぐ事により、フランスの素晴らしさが伝わる素晴らしい取組みなのです。」
「いいんじゃ無いでしょうか?」
「そうなのです、素晴らしい取組みなのですが、問題は水質が悪いことなのです。」
「水質が悪い?泳ぐ事に適さないという事ですか?」
「そうなんです、大腸菌が公表出来ない数値となっておりまして、このままだと選手の体調に不安があるのです。」
「それなら場所を変えれば?」
「もうオリンピックは始まっているのです、今更場所の変更は出来ません!」
「いやいや、水が悪いのは今に始まったことでは
無いでしょ?」
「勿論、我が国も大金をかけて整備していたのですが間に合わず、雨が降った後などもう・・・」
「わかっているなら中止にすべきだろ?」
「これまで頑張って来た選手に中止と言えますか?」
「・・・つまり、私に水を綺麗にしろと?」
「はい、ヨシノブ氏なら可能だとお聞きしました。」
「たしかに可能だけど・・・
まあいいか、選手達があまりに可哀想にだし。」
「おお、それは選手も喜ぶ事でしょう。」
ロマンとアンナは俺が承諾した事に嬉しそうな表情を浮かべる。
「今回だけですからね、ったく、なんで水が汚いのにセーヌ川を使おうなんて思うかな・・・」
俺は少し納得出来ない部分もありながらも選手が苦しい思いをするのを見てられなかった。
「まあ、一時的に綺麗になれば良いか、」
俺は会場に行き、汚れた川を眺める、これを完全に改善するにはもっと川の上流から関与しなければならない、俺は会場周辺に神威をかけ水を浄化するのであった。
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