第1390話 裁き

マックスが去ったあと北斗はそのまま鬼達に連れられていく、あとに残るは南斗であった。


「さて、竜崎南斗よ、お前は竜崎北斗の罪を知りながらそれを隠蔽した罪がある。」

「ま、待ってくれ、たしかに隠蔽したかも知れないがアリア関係者に何かしようとはしていない!」

「我々としてもアリア関係者の被害が最重要、他は目を瞑る事も出来るが・・・」

酒呑童子は少し考える・・・

「そうだろ!頼む助けてくれ!!俺は死にたくないんだ!」

「いいだろう、命だけは助けてやる。」

「じゃあ、うむ、このまま帰ることができれば無罪放免といたそう。」

「このまま帰る?あの門をくぐるのでは?」

「あれは別の場所に繋がっている、出た先で不法侵入者として始末されるがそれでもいいのか?」

「良くないです!」

南斗は首をブンブンと横に振る。


「ならば、其処の扉を潜り真っ直ぐ道を進むといい、ただし後ろを振り返ると帰ることが出来ないからくれぐれも注意するように。」

「後ろを振り向くとどうなるのです?」

「その時のお楽しみだ。」

酒呑童子はニヤリと笑う、南斗にはその笑みが恐ろしくそれ以上聞くことが出来なかった。


南斗が扉を出ていったあと赤鬼が質問する。


「酒呑童子良かったのか?あれも始末しておくべきでは?」

「あの程度の男がこの黄泉比良坂から帰れると思うか?」

「たしかにな。」

「それに俺は手出しをしないが、姫様に良い格好をしたい者も多くいる、あの物は丁度良い生贄だ。」

酒呑童子の言葉の通り、南斗は扉を出ていってから程なく魑魅魍魎の餌となるのであった・・・


その頃、俺はモトヤス総理から相談を受けていた。

「ヨシノブ様、今回はご迷惑をおかけしました。」

「モトヤスさんのせいじゃないから、気にしなくて大丈夫、ショウくんも無事だったし。

ただ一歩間違えると戦争に成るからね、充分注意して下さい。」

「しかと肝に命じておきます。

本日はその事も有りお願いに参った次第です。」

「なにかな?」

「今回の一件、警察の腐敗が原因の一つです、ですがどうしても上役の家族を捕まえた時に報復を恐れ、忖度する者がおります。

そこで嘘を言えない場所をお創り願えませんか?」

「嘘を言えない場所で良いんですか?」

「はい、そのような場所があれば抑止力で公的な者も嘘を言えなくなると思われますから。」

「わかりました、それでは造りに・・・」

「おとうさん、ポメが造るのです。」

「ポメ出来るのかい?」

「出来るのです、ショウ兄に悪さ出来ないようにするのです。」

「うーん、わかった、ポメに任せようかな。」

「ありがとうなのです♪」

「ポメ様、よろしくお願いします。」

「はいなのです♪」

俺が動く前にポメがやりたいというので任せる事にしたのであった。

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