第1388話 連行
南斗と北斗の二人は留置所で再会する事になる。
「伯父さん!どうしたんだ!何故こんな所にいる!」
「不当逮捕だ、証拠も無いのに俺を捕まえやがって!お前らも覚えておけよ!俺が復帰した時には左遷してやるからな!」
南斗は自分を連れてきた警官を脅迫するのだが・・・
「竜崎さん、あんたはもう復帰なんてないさ。
出来るもんならやってみな。」
末端の警官まで傲慢な南斗を毛嫌いしていた、その為、ザマァと思う者はいても助けたいと思う者は数少なかった。
「言いおって、覚えていろよ!」
「はいはい、テロリストさん、あんたの甥はテロリストであり、あんたはその幇助をした人間として、引き渡される事になったそうだ。」
「えっ?テロリスト?」
南斗は北斗を見るが北斗は首を振る。
「テロリストってなんだよ、俺は爆弾を使った犯罪なんかしてねぇぞ!デタラメな罪で訴えているのか!」
「北斗さん、貴方には要人を暗殺未遂の罪で国際指名手配されている、近々引き渡されるんだ。」
「国際指名手配??何でそんな事になってんだよ!」
「喧嘩を売る相手を間違えたんだな、まあ取り返しのつかない事になったんだが・・・
いい気味だな。」
警官は笑う、これまでデタラメに生きて来た者に天罰が降ったかと思うと胸がすく思いだった。
「国際指名手配竜崎北斗、竜崎南斗の身柄を受取りに来ました。
これは書類です。」
引き渡しの日、現れたのは二人の鬼であった。
「えっ、あっ、失礼しました、すぐに手配いたします。」
対応した者もまさか鬼が現れるとは思っていなかったので思わず固まってしまったのだが、書類を確認した所間違いは無い、すぐに二人を引き渡す手続きを完了させる。
「はぁ!!鬼!!」
警官に連れてこられた北斗と南斗は鬼を見て思わず声が出る。
「たしかに二人を受け取った。
おい、お前ら楽に死ねると思うなよ。」
鬼の一人がニヤリと笑う、その笑顔に北斗と南斗は今後待ち受ける自分達の未来に恐怖しか感じない。
「おい、警察が鬼に引き渡すなんて聞いたことが無いぞ!」
北斗は警官に向き直し、批判する。
「私達も初めての事です、ですが書類に不備はありません。
間違いなく引き渡す相手です。」
「いやだ!お前ら俺達が地獄に送られるのを黙って見ているつもりか!!」
「・・・はい、貴方がたのやった事は地獄に行ってもおかしく無い事だと思います。」
「何だと!!」
「うるさい!警察の方々、手数をかけた、こいつらは貰っていく。」
鬼の一人が二人を小脇に抱える。
「離せ!離せよ!誰か助けてくれ!
伯父さん!伯父さん!なんとかしてくれよ!」
北斗は恐怖から騒ぎまくっているが反対に南斗は静かである。
「伯父さん!どうしたんだよ!」
「・・・これは夢だ、こんなことは夢に違いない、早く目覚めるんだ、そうしたらいつもの日常が始まるに違いない、起きろオレ。」
南斗は現実を受け止めきれず、ブツブツと呪文のように夢だと繰り返していた。
「ほれ、行くぞ。」
一人の男がいきなり鬼の前に現れたかと思うと全員の姿が目の前から消える・・・
「な、なんだったんだ・・・」
その光景を目にした警官達は自分達も夢を見ているのでは無いかと疑うばかりであった。
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