第1387話 ショウ救出作戦

ショウが取調べと言う名の不当な軟禁に合っている事は俺の耳にも届いていた。

ヘルマンを筆頭に大規模な奪還作戦が準備されていたのだが、リョウがそれを止め、俺に連絡して来たのだ。

「みんな落ち着きなさい。」

「おとうさん!ショウ兄が危険なんです、すぐに救援を!!」

「今、リョウが日本政府に掛け合っている、すぐに釈放される、だからこそ軍事行動は控えなさい。

ルーデルはまずは機体から降りなさい。」

既に転移門に向けて戦車や戦闘機を送り出そうとしている最中であった、報せが1時間遅れればこの子達は攻撃を開始してたかも知れない。


「・・・わかりました、ただ軍事行動以外での行動の許可をください。」

「具体的には?」

「ショウ兄を不当に扱った者共を法により裁きます。」

「法で裁くなら問題無いね。」

「はい、御安心ください、おとうさんの言いつけに従い法的に処理します。

おとうさんは通常業務に戻ってください。」

ヘルマンの約束に安心し、通常に戻る。


「おい。ヘルマン日本の法なんてザルだろ、そんなんじゃ日本に舐められるだけだろう!」

「誰が日本の法律と言いましたか?

我が国の要人を傷つけたのです我が国の法により裁く権利があるでしょう。

アメリカに連絡を入れて要人を狙ったテロリストとして国際指名手配とし身柄引き渡しを求めます。」

「なるほど、それなら僕達の手で裁ける!」

「日本の法なら長々とかかり、永遠と先延ばしされますから、僕達の手で裁きます。」

「わかったすぐに手配してくる。」

子供達は戦闘準備を停止し、各所に圧をかけるように動きを変える。


「徳川総理、此度の一件、我々は非常に激怒しております。」

「ヘルマンさん、お怒りはごもっともです、すぐにショウさんを解放いたします。」

「それは当然ですが・・・

まさかそれで終わり、だと思っていませんよね?」

「も、もちろんです、再発防止として警察機関にもメスを入れます。」

「それは当然でしょう、それに加え今回の犯行に対してショウ兄に危害を加えた者の引き渡しを要求します。」

「身柄の引き渡しですか、この件は国内で起きた犯行ですので日本で裁くのが通常かと・・・」

「我が国の要人がナイフによる暗殺行為を受けたのです、我が国としては早急な死刑を求めますが日本にそれが出来ますか?」

「いや、それは、日本の裁判には時間がかかりまして、ましてや傷害罪と聞いております、死刑までは到底・・・」

「日本はテロ行為を容認するおつもりですか?

それならば我が国としても日本との関係を見直す必要があります。」

「お待ちください、我々にそのような意図はありません!」

「ならばこそ、犯罪者の身柄引き渡しにご協力ください。

もちろん、国際指名手配にしたうえであらためて要求しますので、日本政府としては我々への追従とならないようにするつもりです。」

「ご配慮感謝します。」

徳川に承諾以外の選択肢は無い、身柄の引き渡しに同意するのであった。

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