第1383話 総理からの電話
「徳川総理!!
なんで私のような者の所にお電話くださったのですか?」
ショウが捕まっている警察署長の下に徳川から電話がかかってくる。
「浅見署長、君の所で友好国の外交官を不当逮捕していると聞いているがどうなんだ?」
「いえ、そのような事はしておりません!」
「おかしいですね、私の方にクレームが届いております。
竹内ショウという少年ですが、もし不当な扱いをしていた場合、国際問題以上の事になりますが、すその時は貴方がた全員が腹を切っても済まない状況となるのです。
もう一度聞きます、竹内ショウは其処にいますか?」
「す、すぐに調べます!」
浅見は急いで竹内ショウを逮捕していないか確認する。
「浅見署長どうしたんですか?」
「竹内ショウという少年を逮捕していないか確認しているのだ。
刑事課にはいないか?」
「・・・逮捕した者に竹内ショウはおりません。」
「間違い無いな。」
「はい、間違い無く逮捕はしていません。」
取調べをしている刑事課は逮捕はしていない、任意同行で調書を作成しているのだとして浅見に報告する事は無かった。
「徳川総理、今一度確認した所、竹内ショウという人物を逮捕した事はないとの事でした。」
「・・・先方は確認が済んでいるから連絡をしてきているのだ。
いいか、よく聞け。
向こうは最後通告として申し出てきている。
解放しないのなら実力行使に移ると。
いいか、今ならまだ穏便に収められる、署内隅々まで探して竹内ショウを解放しろ!」
「しかし、逮捕している者の中に竹内ショウはいないと報告がありました。」
「言葉遊びをしている場合じゃない!
もしその署内から竹内ショウが助けだされた場合、私は署内にいる全てを国賊として扱い全員を重罪にする。」
「総理そんな横暴な事がまかり通ると思っているのですか!」
「それほどの要人を君達は不当に逮捕したんだ、いいか冗談で言っているのではない、既に時間も少ない早く解放しろ!」
徳川の激昂に浅見は再び署内を駆け巡る。
「浅見署長、まだ探しているんですか?」
「そうだ、総理はお怒りのようでな、もし署内にいたなら署員全員を国賊扱いするとまで言われたんだ、本当に居ないよな?」
「・・・浅見署長、逮捕した訳では無いですが、任意同行で調書を書いている者の名前が竹内ショウだったと思います。」
刑事の一人が国賊という言葉に恐怖を覚え、隠していたショウの事を告げる。
「いるじゃないか!」
「逮捕はしていません!」
「調書などすぐに終わらせばいいだろ。
いつまでかかっているんだ!」
「それがその・・・
被害者が竜崎県本部長の甥でして・・・」
「またか・・・
まて!まさか総理がわざわざ電話をしてくるような相手に忖度した調書を書かせようとしているのか?」
「総理?なんの話です?」
「説明している時間が無い!どこで調書を書いているのだ!」
「第二取調室です。」
それを聞くなり浅見は急いで第二取調室に向かうのであった。
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