第1381話 閑話ショウ絡まれる
カラオケの帰り道、道端で騒いでいると・・・
「いてっ!くそっ、誰だ・・・・あっ、ああ・・・」
ゲンタが後ろ向きで歩いていると前から来た強面の人とぶつかってしまう。
「おい、ゲンタまずは謝れ。
すいません、友人がぶつかってしまいました。」
ショウはすぐに謝罪するのだが・・・
「おいおい、学生さん。謝ればいいって話じゃ無いんだよ、ほれ取り敢えず慰謝料を出しな。」
「慰謝料ですか?」
「そうだよ、こっちとら被害者だからな、加害者が被害者に賠償するのは常識だろ?」
「そんな加害者なんて、ちょっとぶつかっただけじゃないか!」
反射的にゲンタが答えるのだが・・・
「ぶつかっておいてそれはないよな?なんだ裁判で話をしようと言うならこっちはそれでもいいんだ
「裁判だなんてそんな・・・」
同級生達は裁判という言葉に一歩引く、自分達はこれから受験や就職が控えているのに裁判中などになれば、どれだけマイナスになるかわかったものでは無かった。
「みんなは帰ったらいいよ、あとは僕が何とかしておくから。」
「ショウにだけ押し付けてなんて出来るかよ。」
「大丈夫、みんなと違って進学も就職もする必要も無いからね。」
「おいおい、兄ちゃん進学も就職もしないってニートかよ。」
「心配されなくても大丈夫です。
もう就職はしているような物ですから。」
「まあ、俺たちゃ貰えるものさえ貰えればそれでいいんだかな。」
「いえ、荒事で、解決しましょう。
あなた達も得意ですよね?」
「ちょ、ちょっとショウ、相手は大人よ、大丈夫なの?」
「大丈夫、ちゃんと手加減するから。」
「おいおい、兄ちゃん女の前で格好をつけたいのはわかるがな、相手を見て言えよなっ!」
男はショウの顔面を殴ったつもりだった・・・
「はあ、ちゃんと鍛えてますか?
この程度のパンチ、小さい子供達にも当たりませんよ。」
ショウは余裕を持って躱していた。
「なんだと、兄ちゃんいい度胸じゃねえか。」
男は何度も殴りかかるがショウはアッサリとかわし続け、男は肩で息をし始める。
「体力も無いですね、殴るフォームもめちゃくちゃだ、荒事を仕事とするならちゃんと鍛えないと。」
「舐めたことを言いやがって、てめぇはぜってぇ許さねえ!」
男が懐に忍ばせていたバタフライナイフを抜く。
「刃物を出した以上、こちらも攻撃しますがいいですか?」
「舐めるなよ!死ね!」
男が刺してきたナイフを寸前でかわし、男の肘に一撃を加えて腕を折る。
「ぎゃあ、いてぇいてぇよ!」
「ナイフを出さなければ良かったのに。」
「てめぇ、許さねえぞ!絶対に訴えてやる!」
「どうぞ、ただし訴えられたらですね。」
「なんだと・・・」
「ショウ副司令、こいつの素性の調べが出ました。」
「カズト副司令は止めて。」
「いえ、職務に入った以上、副司令とお呼びするのは当然であります!」
「副司令も違うんだけどなぁ・・・
まあいいや、それでこの人は何処の人?」
「それが単独のようであり、普通の会社員でした。」
「会社員なの?」
「はい、家庭も持っているようです。
名前は竜崎北斗、28歳?元暴走族で逮捕歴有り、会社はトバチリ工業、主に西園寺グループの下請けをしている会社ですね。」
「お前ら会社は関係無いだろ!」
「おかしいですね、あなたの方から因縁をつけてきたんです。
私達はそれに応じるまで・・・
裁判の準備をしてお待ちください。」
「お前、そんな事言って俺は怪我をしているんだからな!裁判をすれば傷害罪で訴える事が可能なんだぞ!」
「ええ、どうぞ。
何なら警察を呼んでみますか?」
「くそっ!後悔しろ!」
北斗は電話をかけ警察が現れる。
「こいつに骨を折られた、捕まえてくれ!」
「お巡りさん、私達はこの男に絡まれただけです。
骨を折った事もナイフで刺してきた為に仕方無く行った行為です。」
「・・・君、署まで同行願います。」
二人の名前と言い分を聞いた警察はショウに向かい警察署まで来るように伝えるのであった。
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