第1380話 閑話ある日のショウとカズト
「ねぇ、カズト〜、一緒に遊びにいかない〜?」
日本で生活するカズトは同級生からモテていた。
身体つきが明らかに他の同級生と違い引き締まっており、以前と違い勉学も優秀、その上ストイックに身体を鍛え抜くその姿に惹かれる者が多くいた。
「お断りする、自分は訓練すべき未熟な身、遊んでいる時間など欠片も無い。」
「そんな事言わないでさぁ〜他の子達もカズトと遊びたいって言ってるよぉ〜」
「自分には遊ぶ時間など無駄でしかない、今は心身を鍛え、来たるべき時に備えるべきなのです。」
いつものようにカズトが断わるのだが・・・
「カズト、たまにはみんなと交流するのも大事だよ。」
「ショウ!なんでここに!」
「ミツヒコから連絡をもらってね、少しぐらいクラスメイトと交流するのは大事な事だよ。
遊ぶ事で得れる知識もあるはず。」
「ショウ、だが自分はまだ他の訓練生より劣る身、遊ぶ時間があるなら戦車の操縦を学ぶ必要が・・・」
「それはあと、ロンメルくんには俺から連絡するから、今日はクラスメイトと遊ぶこと。」
ショウは社会復帰に失敗したようなカズトを少しだけでももとに戻す為、クラスメイトとの遊びに連れて行くのだ。
「ショウも行くんだよね?」
ショウにとって元クラスメイトのリサがショウの腕を取る。
「僕はクラスメイトじゃないから・・・」
「関係なし、みんな行くよ。」
リサが周囲に声をかけた事で大人数による遊びになる・・・
「うーん、まずはカラオケにいこー!」
リサの言葉に行き先が決まり、全員でカラオケに・・・
「ねぇ、ショウ、異世界ってどんなところなの?」
「どんなところかぁ〜?
魔物がいたりするけど、だいぶ落ち着いて平和になってきているし、そんなに変わらないかも知れない。」
「それじゃ、私達も行けるようになるかな!」
「ならないと思うよ、遊び半分で活けるところじゃ無いし、見ての通りカズトみたいになるかも知れないし。」
「ねぇカズトは何があったの?異世界に行く前はチャラチャラしてたのに、あんなにストイックになるなんて・・・」
「カズトは厳しい訓練を受けたんだ、その上、失礼な事をしたから更に厳しくなって・・・」
「失礼なことって?」
「ヨシノブさんを侮辱するような事を言ったんだ。」
「ヨシノブさんって神になった人?」
「そう、あの時はまだ神になって無かったけど、それでもヨシノブさんを侮辱する事は許されないんだよ。」
「まあ、神様で王様のヨシノブさんを侮辱ってカズトは頭がおかしいよね。」
「そこまで言わないでやってよ、その結果が厳しい訓練であんなふうになっちゃったんだから。」
良くも有り悪くも有るカズトの姿に何が正しいかわからないショウだった。
「でも、あれだけモテるようになるなら訓練も有りかもしれないな。」
ゲンタからするとモテモテの今の状況を見ると羨ましく感じる。
「そんな浮ついた気分があるようなら、来ない方が幸せだよ。」
「いやいや、馬鹿だったカズトがいきなり頭が良くなったんだぞ、訓練を受ければ新たな可能性が出るんじゃないか?」
「命があれば・・・」
気軽に考える同級生達に囲まれながらショウは返答に困る。
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