第1379話 転移門は・・・
「ヨシノブ、これって転移で他の国に行けるんだよな?」
ソウマが転移門を見て確認してくる。
「そうだよ、他の国だけじゃなくて世界にも行けるけど。」
「それって検疫どうなっているんだ?」
「検疫?ああ、病源菌とかは全部落として転移するように設定しているから大丈夫。」
「それって選んで設定出来る物なのか?」
「出来るよ、その点は俺も考えているさ。
まあ実際の運用する時には正式な検疫所を作る必要があるかもね。」
「仮にだぞ、これを世界中の競馬場とかに作ったら移動による負担が無くなるのか?」
「・・・まあかなり軽減する事にはなると思うけど、管理が難しいからね。
全ての競馬場は無理かな?」
「それでも世界中に作れば最高の状態でレースができるんじゃ?」
「それをやるには色々問題をクリアしないと駄目だと思うよ、転移自体、何カ国しか無いし、競馬の為だけに世界中は難しいかな。」
転移門は現在日本、アメリカ、イギリス、ドイツに存在し、一部の運用が始まったばかりである。
馬のレースの為だけに友好国以外に作る訳にもいかない。
「それでもイギリスまでは瞬間で移動出来るんだろ?」
「まあな。」
「それだけでも競馬会にとって革新的な事なんだぞ。」
ソウマの頭の中では今後ヨーロッパの産駒の種付も夢では無くなる、それだけでも血統が広がるのだ。
「言っておくけど、転移は安く無いんだぞ?」
「えっ?」
「俺達が使う分には予算はかからないけど、他の人まで無料で使わすことは無いからな。」
「えーと、どれぐらい?」
「個人で言うなら数百万から一千万ぐらいだったと思う。」
「高いな!」
「そりゃ一瞬で移動できるんだから、高めに取らないと既存の移動手段が衰退するとか何とか言ってました。」
「なんか人聞きな感じだな。」
「実際人聞きだからな、そういう事もあって他の人が使うならそれに応じた値段をつける必要があるんだ。」
「それなら馬なら?」
「わかんない、通常の移動にかかる費用から時間を短縮する事による付加価値などを考慮して設定されるらしい。」
「お前なら決めれるんじゃないか?」
「俺が決めると適当になるからな、各所に確認をとって決める事になっているんだ。」
「お前、神になっても発言権低いんだな?」
「発言権はあるよ、ただ実務的な事に口出しをするとめちゃくちゃになる事が多いから任せる事にしているんだ。」
俺の言葉を聞いてもソウマの不信な目が変わることは無かったのだった・・・
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