第1377話 確認
「すいません、ヨシノブという者ですがお尋ねしたい事があって電話をしたのですが。」
「ヨシノブ?どのようなご要件・・・
・・・待ってください!ヨシノブって!神様のヨシノブ様じゃないですよね?」
「あー、職業は神様だと思います。
そのヨシノブです。」
「お、お待ち下さい!!すぐに上の者と代わります!」
電話先の人が可哀想になるぐらい慌てまくっている。
「お電話を代わりました、競馬協会の馬子・ココロと申します。」
「お忙しい中、お手数をかけて申し訳ありません。」
「いえいえ、私共の手間など神様のお忙しさに比べれば微々たるものにございます。
それで私共に尋ねたい事があるとお伺い致しましたが、どのようなことでしょう?」
「今度、牧場を経営する事になったんですが、異世界の馬を走らせる事は可能でしょうか?」
「えっ?異世界の馬をですか?」
「はい、知り合いに聞いたところサラブレッドじゃないから駄目だと言われたのですが?」
「え、えーと、産まれた日を登録と血統を登録する必要がございます。
血統についてはわからない馬の救済としてサラ系で登録する事は可能ですが、産まれた日がわからないとなると厳しいかと。」
「じゃあ次の世代で登録は可能でしょうか?」
「ええ、できれば血統のわかるサラブレッドの馬と配合していただけると当方としましても対応しやすいのですが、御検討いただけないでしょうか?」
「なるほど、ありがとうございます。」
「それとですが、サラブレッドは速く走る事に特化してきた馬です、別種の馬はレースに勝てるかわかりませんよ?」
「それは大丈夫です、勝てなくても問題ありません、ただの道楽ですので勝ち負けにこだわったりしませんよ。」
「わかりました、何か有ればまたご連絡ください。
私、ココロが誠心誠意対応させていただきます。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
そこで俺は電話を切るのであった・・・
「ソウマ、だいたい問題無いって。」
「・・・お前はいきなり電話して向こうに迷惑だろ?」
「アポイントでも良かったんだけどな。」
「今のお前から電話がかかれば後回しなんて出来るわけないだろ!」
「まあ答えてくれたから良しとしようかな。
あとはサラブレッドを確保することから始めようか、折角だから良い血統という馬を用意してみたい。」
「簡単に言うなよ、いい馬の種付株は高いし、サラブレッド以外の種付を認める人がそんなにいるとは思えないけど。」
「まあ、知り合いにサラブレッドを持っているか聞いてみるよ。」
「知り合いって、お前の交友関係どうなっているんだよ・・・」
ソウマの、呆れる声を聞きながら電話をかけるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます