第1375話 訪問者
「そう言えば、一番暴走する奴は何処だ?」
「あれか、あれは自国に名馬を取りに行くって言ってた。」
「自国?マインズ王国にか?」
「そうみたい、カルラが早く走れて頑丈な馬を探しているって言った瞬間走り出したみたい。」
「それって競走馬じゃなくて軍馬を連れてこないか?」
「まあそうなるよな。」
「走れるのか?」
「わかんない、ただパワーのある馬は見つかるんじゃない?
俺は配合について詳しくないけど、異世界の馬との配合、っていうのも面白いと思わないか?」
「お前な面白いで騒ぎを起こすのは止めろよな。
お前も家庭を持っているんだから少しは腰を据えた落ち着きというものを考えろよ。」
「いいじゃん、ちょっと馬主になるだけだって。」
「馬主どころか一から生み出そうとしてるじゃ無いか。」
「神馬を喚びない所は自重したのさ。」
「自重が足りないからな!」
「まあ困っているソウマの頼みでもあったしな。」
「ソウマって、中学で転校したソウマの事か?」
「そう、北海道で牧童になっていたみたい、たまたまあって、その熱いプランに従ってソウマの夢の日本一の牧場を作ろうとしているんだ。」
「それっていずれはそうなりたいってやつじゃねね?
今すぐにやることじゃ無いような・・・」
「何事も早いほうが良いだろ?」
「やりすぎだ。」
リョウからは呆れた声しか返ってこない。
「パァパ!パァパ!」
「あれ?ハルノブの来たのかい?」
サリナがハルノブを抱っこしてやってくるのだが、その後ろにいる危険な人は見ないことにしよう。
「はい、ハルノブ。
ヨシノブさんにはダッコですね。」
サリナは俺にハルノブを渡し、俺もそのままダッコする。
「パァパ、パァパ♪」
「おっ、いい子にしてたか?」
「パパが一番悪い子だがな。」
「リョウは黙れ、親子のスキンシップの邪魔をするなよ。」
「へいへい、さてハルくんを送り届けたし俺は帰るとするか・・・」
「あれ?ほんとうに来ただけか?」
「勿論だ、なるべく早くなるかえらないと・・・」
「リョウ、何を帰ろうとしている。
これから刃馬一体となる修行があると言っておるじゃろ。」
「じいちゃん!」
「アキラさん、人馬一体ってなに?」
「武人たるもの。馬に乗れて一人前、ほれヨシノブ馬を用意せよ。」
「アキラさん、すいません。
ハルノブが離してくれないのでそれはちょっと・・・
アキラさんとリョウの分はご用意しますね。」
「ふむ、たしかにハルくんが離れぬなら致し方あるまい。」
「きたねぇ!ハルくんお兄さんの所に来ないか?」
リョウは両手を広げるのだが。
「やー、パァパ、パァパ♪」
ハルノブはしっかりと俺を掴む。
「ほれ、行くぞ。」
無慈悲なアキラに首根っこを掴まれリョウは地獄へと旅立っていくのであった・・・・
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