第1373話 神様なのに?

「なるほど、色々な設備が必要なんだね、可愛いだけじゃ駄目って言ってたのがわかったよ。」

俺はソウマから色々説明されるものの半分ぐらいしか理解出来ていないと思う。


「ああ、強い馬を育てないとこの子達も悲惨な目にあうからな。」

ソウマの言葉には子馬達に対する想いがこもっていた。

「わかった、でもこれだけの物を作るとなると土地が足りないから周辺を買い取る事にしようかな。

松前さん買い取る事って可能かな?」

「すでに準備は出来ております。」

「じゃあ計画に必要な分を・・・あっそうだこの辺りまで買い取る事って出来る?」

俺は山深くまで買い取り範囲を広げる。

「可能ですが馬はここまで行くことは無いと思いますが?」

「此処に水源があるからね、牧場を作るついでに自然保護もしようと思うよ。」

「さすがはヨシノブ様にございます。日本の事を考えておられるとは。」

「いやいや大した事は無いですよ。

出来ることなら色々な所も買い取って保護したいのですが・・・」

「源グループとしてご協力出来る事は全力で行いましょう。」

「その時は頼みます。」


「な、なぁ、本当にこの範囲を買い取ったのか?」 

ソウマは地図を見ながら固まっている。

「買い取ったでいいのかな?」

「すぐさま買い取りに入りますので問題は無いかと。」

「ということらしい。」

「お、お前どうなっているんだ?」

「なにが?」

「いや、神様になったとは聞いてたけど、なんで権力を自由に使っているんだよ!」

「神様ってそんなもんだろ?

それにこれぐらいならリョウもやるだろうし。」

「あいつは家がおかしいから何でも受け入れるだけだろ?」

「・・・間違っているとは言えないな。」

「いつからお前はあいつと同じになったんだ?」

「なってない!!

違う!俺はあいつの一族ではないんだ!

だから訓練なんて必要なんて無いのに!何故!」

「おい大丈夫か!おちつけ!」

ミツヒラとソウマが二人でなだめる。


「はぁはぁ、すまない少し取り乱した・・・」

「どんなトラウマ持ちだよ・・・」

「そんなにキツイんだな。」

ソウマと違い多少事情を聞いているミツヒラは事態が飲み込めていた。


「ソウマくん、君も体験したくないか?」

「えっ?なにを?」

「なに、リョウがいつも楽しくやっている事だ。」

「ヨシノブ、お前犠牲者を増やそうとするな。」

「ミツヒラお前も参加してもいいんだぞ。」

「俺は遠慮する。」

「・・・遠慮を拒否する。」

「ヨシノブ、人には出来ない事があるんだ。

少ない頭で理解しろ。」

「ミツヒラさん、ヨシノブは神様ですよ、流石に言い過ぎじゃ?」

「いいんです、こいつは変わってません、言いたいことはそのまま言ったほうがわかりあえます。」

「誰が少ない頭だぁ〜」

「お前だ!アキラさんの訓練に俺達が耐えれる訳ないだろ!」 

「やれば出来る!」

「出来ない!」

俺とミツヒラの言い合いをオロオロしながら見るソウマがいたのだった。

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