第1368話 慈善団体

ヘルマンが赤十字に贈りつけた裏金に裏では抗議していた。

「滝本さん、あれば何かの間違いなんですよ、返却してもらえませんか?」

NPO団体の一つ、コルボの藤田は赤十字代表の滝本に密かに連絡を取り寄付され金の返還を求める。

「いやはや、寄付なされておいて返還とはどういう事でしょうか?」

「あれは何かの間違いなんです。」

「何かの間違い?とはいえ寄付されたものですからね。

・・・だいたい存在してていいお金なのでしょうかねぇ?」

「足元を見て・・・

おい、いい加減にしろよ、お前達だって後ろめたい事の一つや二つあるだろ、私が暴露してもいいんですよ。」

「疚しい事があるのはお互い様でしょう。

まあ、仕方ありませんね、4割返還でどうでしょう?」

「ふ、ふざけるな!全額、いやせめて9割は返せよ。」

「いやいや、本来なら返す事は無いんですよ。

ただお互いの今後の為に・・・5割でどうでしょう?」

「・・・8割、あの資金が無いとやばいんだ。」

「仕方無いですね7割でいいでしょう。」

「くっ・・・

わかった。」

「以後無いように・・・」


「滝本代表!!大変です!」

「どうしました、今田くん、来客中に騒がしいですよ。」

「それどころじゃありません!こちらに来てください!!」

滝本は慌てる今田に手を引かれて別室に・・・


「滝本代表、天下りリストが世間に公表されてしまいました!」

「なっ!それは不味い。」

「それだけではありません、天下ってきた方々の給料まで開示されています!」

「それは駄目です!

彼等の顔を潰してしまえば今後の活動に影響が出てしまいます。

すぐに公表を止めるのです!」

「無理です!すでにネットに流れています!

しかも、先程のやり取りも動画にてリアルタイムに流れておりまして・・・」

「な、なに?先程の?待て、藤田さんとの話の事か?」

「ええ・・・」

滝本は冷や汗が止まらない、天下ってきた人達を高給で雇い、各地域への圧力としてきた、だがそれは絶対に公開してはならないのだ。

「いったい何があったんだ・・・」

滝本は膝をつくのだった・・・


「まったく、どこもかしこも腐っているな。」

ヘルマンは騒動を扇動していたのだ。

「慈善団体というなら、慈善でやるべきだろ。

利権を求めるばかりだ。

そのくせに他者を妬み、改革する者の足を引っ張るしかできない。

そんな組織は大規模な改革をするしかあるまい。

できねば潰すしかない。」

「ヘルマン、そこまで日本の組織に手を出さなくてもいいんじゃない?」

「おとうさんは日本に何かと干渉したがるからな、前もって改善しておくのも子供の役目だと思っている。

邪魔な者はどんな手段を使っても叩き潰す。

リミ、都が隠している黒塗りの資料を公開してやれ。」

「わかったわ、すぐに公開するわね。」

急遽、都の資料が公開される、ただ都が正式に公開した訳では無いのだが、ホームページ上に堂々と公開されるのだった・・・

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