第1367話 罰が来る

「お前は少しはおとなしくしとけ。」

自由に動いた結果、俺の自由はリョウの手により失われていた。


「リョウ、俺を捕縛しても何にもならないぞ。」

「お前を捕縛しないとどうしようも無いからな。

まったく、神になってから自由過ぎるだろ。」

「照れるなぁ〜」

「褒めてないからな!」

「私は自由を愛する民なのだ〜」

「神のくせに何を言ってる。

・・・どうやらお前は反省をしてないみたいだな。」

「ちょ、ちょっと待て、お前から不穏な気配が感じるぞ。」

「当たり前だ、お前にも罰がいるだろ?」

「いらない!いらないから!」

「大丈夫だ、既に手配は終了している。

・・・時間だ、俺は退出するが頑張って生き残れ。」

「まて!お前は友を見捨てる気か!!」

「残念だ・・・

ってイゾウさん!ちょ、打ち合わせと違う、まだ3分早い!」


立ち去ろうとするリョウの前に二人の老人が・・・


「すまんのぅ、アキラがついでにリョウを鍛えると言ってきかんかったからのぅ。」

「聞かんかったじゃ無いですって!

今回はヨシノブに罰をって話しましたよね。」

「すまんすまん。」


「リョウ、お主も訓練をサボっているからのぅ、たまには良いじゃろ。

ほれ、そこの友と一緒に稽古をつけてやろう。」

リョウの表情は引き攣っている。


「ようこそ地獄の一丁目へ〜〜〜」

「おいヨシノブ、ここは協力して脱出するぞ!」

「あまい!俺の地獄が決まっているならお前も道連れだぁ!!」


「くっ!爺さんを呼びつけた事が裏目に出たか!これならサリナさんに頼んだほうが良かったかも知れない!」

「てめぇ他人事だと思って変な画策するんじゃない!」

「お前に罰を下せる奴なんて、爺さんかサリナさんぐらいだろ!」

「違わないが・・・って!あぶねぇ!!」

俺とリョウは咄嗟に左右に分かれて飛ぶ、其処には斬撃の跡が・・・


「稽古を前にしてお喋りとは、お主等は緊張が足りんのぅ。」

「アキラさん!斬れてる、斬れてるよ!」

「斬っておるのじゃから斬れるに決まっておるじゃろ。

ほれ、反撃せんか!」

「言われなくても!」

俺は右手に神威を込めてビームを放つ準備に移りつつ・・・

「召喚!」

アキラの四方に10式戦車を喚び出し自分とリョウの姿を隠したうえ、砲門をアキラに向ける。

「器用な真似を・・・」

アキラが刀を振るうと10式戦車が真っ二つに斬り裂かれるのだが・・・


「もらった!」

戦車の陰からリョウの突きが放たれる。


「まあまあじゃな。」

アキラは刀を滑らせリョウの突きを捌いたあとリョウを反対側に隠れていた俺に向かい蹴り飛ばす。

「おい!リョウ邪魔だって!」


俺が撃とうとする範囲にリョウがいて放つ事が出来ない。

そのまま激突したあと、アキラは刀を突きつけてきて勝負有りだった。


「まったく腑抜けた結果じゃ!

ヨシノブは何故気配を消さん!」

「一応消しているつもり・・・」

「ならば隠形が足りん!奇襲に移るなら気配を消す事を覚えよ!」

「リョウ、お主は踏み込みが甘い!あと半歩は前に出なければ敵に躱されるに決まっているだろう!」

「爺ちゃん以外に躱せる奴がいるか?」

「イゾウでも余裕じゃ!そんな考えだから強くなれん、今日はみっちり鍛えてやる。」

「「いやだぁーー!!」」

俺とリョウの叫びが木霊するのだが誰も助けは来ないのであった。

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