第1366話 さらに追加

嘘を塗り固めた公約を掲げた者達は慌てて立候補の取下げを願い出ていたのだが、取下げが却下され青い表情がさらに青くなっていた・・・


「皆さんの清き一票をどうか私以外にお願いします!!」

「大池です!大池に一票を!この宝蓮以外に!」


普段の選挙と違い、自分以外を推薦するような演説をする者が多数現れる。

中には自分の公約を変更した者もいるのだが、中身が全く無い公約に変更してやり過ごそうとしていた。


「ヨシノブ様ですよね?ちょっと質問を良いでしょうか?」

買い物に入った店で俺はふと見知らぬ人に声をかけられる。

「ええヨシノブですけど、何でしょう?」

「あの、今回の都知事選挙で質問があるんです。」

「選挙に興味があるのは良い事です、答えれる事なら答えますけど。」

「ありがとうございます!

あのですね、今回の選挙で公約を破ると罰が下るのはわかったんですけど、公約以外で出鱈目をした場合どうなるのでしょうか?」

「ふむ、たしかにそうですよね。

公約にしなければ良いなんて考える奴がいるかもしれません。」

「はい、実際公約を無難に変更している人もいますし。」

「わかりました、都のルールを破り無理を通そうとした者にも罰を下るようにしておきます。

大きく変化させたいなら公約に盛り込む事にして、基本的には現状を守る事にすれば良いのかな?」


数十億のプロジェクトがろくに会議もせずに一部の人の判断だけで実行されたりする状況がいいはずが無い。


自分達の私腹を肥やす奴らの為に税金を使っていいはずが無い、税金とはそこに住み納税を行った者の為に活用すべきものなのだ。


元納税者として公金をチューチューされる状況には納得出来ない物があるのだ。


俺は追加で神威をかけた事を伝えると・・・


様々なNPO団体、人権擁護団体から抗議がくる。

「人の寿命をなんだと思っているんだ!」

「納税していない者にも生活する権利がある!」

「邪神が口を出すな!」

俺の窓口になっている源グループを始め様々な所で俺への抗議が来ていた。


そんな状況を許すヘルマンでは無かった。

「おとうさんに抗議とは身の程知らずめ、リミやれ。」

「はい。」

ヘルマンの命令によりリミは神威を使い各団体のパソコンに侵入、内部情報を入手していく・・・


「弱者救済かよく言ったものだ。」

ヘルマンは各団体の抱え込む資金を閲覧して出た感想だった。

公金で得た金をプールし、様々な物に活用、中には賄賂として贈られている形跡を見つけるのだった。


「リミ、全団体の裏金を寄付してやれ。」

「何処に贈る?」

「そうだな、赤十字に贈ってやれ。」

「わかったわ。」

リミに取ってなんてことは無い、いとも簡単に裏金は赤十字に渡る。


プールしていた裏金の無くなった団体は大騒ぎになるのだが、公表するわけにはいかない金であるうえ、騒いだ所でどうしようも無かったのだった。

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