第1356話 訪問者

とある日、アリアに来訪者が現れる。

「俺に面会したい?」

「はい、神の一柱でモンドと名乗っております。」

「まあ、訪ねてきたなら会うけど。」

「おとうさん、少しは警戒心を持ってください。」

「ヘルマンは警戒し過ぎだよ、ここは俺の神域だからね、知り合い以外の神様には不利な場所だよ。」

「アキラさんに警戒してもらいます。」

「・・・それは俺にとっても危険だから駄目、シモの警護で大丈夫だろ。」

ヘルマンの過度な警戒はおいておいて、シモを呼び面会することにする。


「両手は壁につけるのよ、不穏な動きをしたらすぐに射殺するのよ。」

モンドが部屋に入るなりシモが宣言し、モンドもそれにならい壁に手をつける。


「こら、シモ駄目だって。

すみません、うちの子がいきなり失礼な事を。」

「いえ、当然の警戒だと思います、私はルシィラの神ですので・・・」

「ルシィラの、それでなんの御用ですか?

ここに来たということは一応話し合いに来たという事ですか?」

「はい、と言ってもルシィラを代表して来ている訳ではありません。」

「ルシィラの代表じゃない?」

「はい、今回のオルデンの暴挙を後日知り、何を置いても先に謝罪する必要があると思いまいりました。」

「今回の事を考えればルシィラの神を名乗れば殺されるとは思わなかったのですか?」

「ヨシノブ様のお噂を聞き、話し合いに来た者をそのまま殺すような事は無いと思っております。」

「まあ俺はそうでも、今回の一件で怒っているのは多くいるからね、場合によってはここに来る前に死んでいたよ。」

「それも覚悟の上です、オルデンはそれほどの事をしたと理解しています。」

「否定しているがオルデンはルシィラの最高神じゃないのか?」

「最高神には違いありませんが、ヨシノブ様の襲撃以来その姿を見せておらず、ルシィラの神界は現在混乱状態となっております。」

「そうなんだ、それは大変だとは思うが俺がどうこうするわけでは無いな。」

「わかっております、ルシィラは滅ぶべきなのでしょう。

自分の世界ならいざ知らず、他世界の主神の妻を誘拐など許されるはずが無い。」

「つまり滅亡を受け入れると?」

「受け入れます、ですがその事についてお願いがあって参りました。」

「話は聞くけど、採用するかは不明だけどそれでいいかな?」

「はい、受け入れられない場合は無駄な抵抗をさせてもらいます。」

「わかった、話してみて。

まあそれより先に席にお座りください。

シモも銃口を下げて。」

「うにゅ、おとうさんがいうなら仕方ないのよ。

でも攻撃の意志を感じたらすぐに始末するのよ。」


俺はモンドの提案を聞くことにするのだった。

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