第1350話 二柱との戦い

「さて、愚か者どもに神の裁きを下すと・・・

なに?」

シュートとセーブが喝采を浴びている間に攻撃をしていた部隊が大きく退いていた。


「己の身の程を知っているとはな、だがその距離程度で神の裁きを防げると思うな。」

シュートが手を振りかざすと巨大な雷が攻撃をしていた部隊に落ちる。


「見たか!これが神の力である、神の偉大さを後世に伝えるのだ!」

シュートの高笑いが響く中・・・


「やはり神がいたか・・・

各員損害報告!」

「天津製、避神威針起動に成功しました、戦車などに多少の被害有り!しかし、怪我人はありません!」

「怪我人が出ていない事が重要だ、破損した物は後方に下げろ。

各員、再度戦闘態勢に入れ!」

ロンメルの声が戦場に響き渡る。


当初の攻撃を防がれた時からロンメルは神が現れた事を懸念し、以前より準備していた対策を実行していた。

今回使用した、避神威針はタカミムスビに相談し、製作に協力してもらった逸品である。

ただ、神威による攻撃を一点に集め、そのチカラを地面に流し変換し大地に還元する設備なのだが、地中深くに埋め込む必要があり、事前準備無しでは使えない物なのだが、慎重なロンメルは本陣に避神威針を設置、移動の度に移設する手間をかけながら戦闘していた、その警戒心が今回の被害無しに繋がっていたのだ。


「ロンメル将軍!各員再配置完了しました!」

「神威弾装填!」

「神威弾装填完了!」

「避神威針、解除。」

「避神威針解除完了!!」

「一斉射撃!撃て!!」


ロンメルの号令の下に戦車隊から二柱の神に向けて大量の砲弾が放たれる。


「その程度・・・

くっ!神威を込めているのか!セーブ結界を張れ!」

「任せろ!我が神威を破れるなら破ってみろ!」

ロンメル達が放った砲撃はシュートの防御結界を破り、多少なりのダメージを与える事に成功するのだが、防御結界に特化する神セーブは砲撃を受け止めていた。


「足を止めるな、中隊規模で展開するんだ、四方八方からの砲撃で奴等の動きを止めるんだ!」

ロンメルは戦車隊を手足のように操り、次々と砲撃を加えていく、セーブの結界を破ることは出来なかった。


「援軍はすぐに来る、いいか!絶対に敵の攻撃受けるな。

おとうさんは俺達の怪我を心配している、誰一人怪我する事なく帰ることが最優先だ。」

ロンメルの的確な指揮のもと、シュートの攻撃を捌きつつ、砲撃による足止めを敢行、戦線は維持されていたのであった。

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