第1349話 余裕のシモだが・・・

「にゅ、みんな大変にそうなのよ〜」 

シモは忙しそうに仕事を片付けていく人達を眺めていた。

「シモお姉ちゃんは仕事は片付いているんですか?」

自宅で勉学に励む年下の子達はシモに質問する。


「シモはお家の警護がお仕事なのよ。」

日々の訓練も終えており、あとは抽選会を待つだけ、シモは安易にかまえていた・・・


そう昼までは・・


「シモ、一大事だ、ルシィラに敵の神と思われる者が現れた、行って片付け来るように。」

昼食を終えてすぐにヘルマンから指令がでる。


「うにゃ!もうすぐ抽選会なのよ!!」

「緊急事態だ、どちらにしても片付けていないならシモの参加権は無い。」

「にゃ!」

「強者を倒すのはシモの役目だろ、文句を言わずに行ってこい。」

「おになのよ!ヘルマンはおになのよ!」

「うるさい、そんな事を言ってていいのか?

時間はすぐに無くなるぞ。」


「にゃ!そうなのよ、イゾウおじいちゃん!緊急事態なのよ、すぐに出てきてほしいのよ!!」

シモはパタパタと駆け出して行く。


時は少し戻り・・・

「シュート、セーブ。

地上に向かい信仰心の低下について調べてくるように。」

パスはあまりに下がる信仰心について調査を開始する、本来なら設備を使えば原因がある程度わかるはずなのだが、それをすると負荷がかかり、別の場所が不具合を起こす為に直接の調査をするしかなかったのだ。


「はっ、すぐに現地に向かいます。

パス様、仮に野良神がいた場合、そのまま排除してもかまいませんか?」

「当然だ、我等の支配域に手を出した事を後悔させるのだ。」

パスの命令を受けて二人の神が地上に降り立つ、彼等はパスの側近でもあり、ルシィラでも上位のチカラを持つ、パスの全面的な信頼を受けての任務であった。


「なんだと、神殿が破壊されている?」

「おい、オルデン様を讃えるオルデン教が邪教扱いされているぞ、なんでこんな事に・・・」

シュートとセーブは地上の現状に驚く、この時点でカルラ達、子供会の女神達が世界の正常化に成功しており、見た目には問題の無い世界に見えている、その中でオルデン教が駆逐されているという異常事態であった。


「おい、オルデン教を助けに行くぞ。」

「神の逆らう愚か者どもに思い知らせる必要があるな。」

二人の神が信徒達の前に降り立つ。


そして、子供会が放つ銃弾を防ぎながら信徒達に語りかける。

「敬虔なる信徒よ、よくここまで耐えた、我はシュート、オルデン様に仕える神の一柱である。


神は信じる者を見捨てることはない。

これより神に逆らう愚か者どもに神の裁きを喰らわすことになるであろう。

お前達は後世に至るまで神のチカラを語り継ぐ役目を与える。」

神の降臨にオルデン教の者達は跪き、オルデンとシュートの名を呼び讃えるのであった。

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