第1346話 駆除
「へぇー南半島国では倒産が相次いでいるって、不景気って怖いよな〜」
俺は経済ニュースを見ながら、また一つ南半島国の大手企業が破産したと言うことを知る。
「たしかに怖いよなぁ〜」
リョウが何故かヘルマンの方向を見る。
「リョウさん、まだ死滅していない事を残念に思うべきだと思います。」
「死滅って、ヘルマンは怖いな。」
リョウはやれやれと言った感じでヘルマンと話す。
「死滅?何処かで虫でも出た?」
「はい、害虫がわいているところがあるので駆除しようとしているのですが、しぶとい上に色々な場所でわいてくるので苦労しているという話です。」
「害虫の根絶は難しいよな、根気よくやるしか無いよね。」
「はい、根本的に改善してわいてこないようにするつもりです。」
「ヘルマンは完璧主義だからな〜」
俺が軽く話すのだが、リョウは少し悩んでいるように見える。
「リョウどうした?頭でも痛いのか?」
「お前の能天気に頭が痛いというか、ヘルマンくんのやる事に頭が痛いというべきか。」
「誰が能天気だ。」
「能天気だろ、もう少し世界情勢にも目を向けろよ。」
「だから経済ニュースを読んでいるんだろ?」
「お前の行動が経済に大きく影響があるからな、そこをちゃんと理解しておけよ。」
「俺の行動より、リョウの行動の方が影響あるだろ、源グループの若様。」
「まだ、結婚してないからな。」
「もうすぐだろ?
・・・そうだ、俺が結婚式の会場作っていいか?」
「良くない!何をするつもりだ!」
「全身全霊をかけて最高の結婚式場を作ってやる!」
「止めろ!ろくでもない未来しかない!」
何故かリョウは俺の結婚式場建設に大反対する。
ちょっと神様が見守ってくれる式場を作ってやろうという友の善意を何だと思っているのだろうか。
「そんなことより、誘拐犯の世界はどうしたんだ?」
「今、子供達が救済の為に色々してくれているよ、ヘルマンどうなっている?」
「支配域が7割になっています、環境もだいぶ復活したと言っても良いかと思います。」
「みんな頑張ってくれているね、本当に俺の出番が無いよ。」
「おとうさんに出向いてもらうなんて子供として情けない事です。」
「そんな事は無いぞ、俺はいつでも出向くから遠慮無く言ってくれよ。」
「大丈夫です、カルラ達も頑張っていますので、みんなが帰ったら褒めてあげてください。」
「それは勿論・・・
そうだ、今日は俺が夕食を作ろうかな、たいした物は出来ないけどたまにはいいだろう。」
「それは、みんな喜ぶと思います。
すぐに連絡してきます。」
ヘルマンは連絡すべく駆け出して行く。
「さて、何を作ろうかなぁ〜」
俺はみんなに振る舞うベく、料理を考えるのだ・・・
「・・・なんでこいつは混乱を巻き起こすのかねぇ〜」
リョウは呆れたように俺を眺めていることに気付いていなかった。
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