第1343話 ルシィラのモンドは

「モンド、お前の社倒産したのか?」

「何を言ってるんだ、うちは大手だぞ。

簡単に潰れたりするかよ。」

モンドはかつて神学校で同級生だった、カザハヤに声をかけられるなり、あまりの言葉をかけられる。

「大手って言っても、天津神に喧嘩を売ったんだろ?

あそこは普段温厚だが、いざとなると戦闘民族に変わるからな。」

「いやいや、天津神に喧嘩を売ったりしてないって、たしかに何者かに襲撃を受けたけど・・・」

「だから、その襲撃相手が天津神なんだって、まあ正確にはアマテラスさんの息子で独立しているアリアに喧嘩を売ったみたいだけどな。」

「アリア、あの新興世界か、いくらなんでも新興世界にうちが負けたりしないだろ?

そもそも神世界協定に反して攻め込めば新興世界なんかはすぐに滅ぼされるだけじゃないか。」

「何を言ってるんだ?先にアリア当主の奥さんを誘拐したのはルシィラの主神オルデンって話だろ?

そりゃ奥さん拐われたら攻め込むのも無理はないって、ウチも含めて大多数がアリアに同情的だったし、わざわざ天津神に睨まれるような事になるのにルシィラの味方はできないって。」

モンドは知らない事実を聞かされ固まる。


「その話は本当なのか!」

「疑うなら調べてみろよ、結構有名なだぜ。」

カザハヤの言葉は信じ難いものの、友人のカザハヤが嘘をついてまで貶める理由も見つからない、モンドは独自に調査を始める・・・


「なんなんだこれは!どの世界も私達の社を批難しているじゃないか!」

調べてすぐに自分達の世界の悪評を目にすることになる、その上、神世界協定違反として天津神から訴えられた上に絶縁宣言までされている事態であった。

「おいおい、天津神から絶縁って、天津神製品が入荷出来ないってことかよ!」

天津神製品は品質において他製品と一線を画している、多少なりの代替え品を使う事はあるがまったく使わないとなると各方面でどれほど性能が落ちるか予想もつかない。


「・・・ちょっと待てよ、今社を建設してるが納品されている物はなんなんだ?

それに最近故障が多いのもそのせいなんじゃ。」

現在臨時ながらも社の運営は徐々に再開されているが、今導入している製品は何処の物なのだ。


モンドは疑問に感じるとともにここまで秘密裏に行っているパスにも不信感を持つようになる。

「パス様はいったい何を考えているんだ。

オルデン様も姿を見せない、もしかしてパス様はまだ何か隠しているのでは・・・」

モンドは更に調査を始めるのであった。

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