第1342話 ユマの来襲

「あ、あのユマさん?なんでここに?」

「同級生で飲むって聞いたから来てみたんですけど駄目でした?」

「いや駄目じゃないけど、なんでリョウが正座させられているのかな〜」

「リョウくんは私を見るなり『あー愛人さんが来た』なんて言うんですよ。

酷くないですか?」

「・・・」

どうやらリョウはかなり酔っていたようだ、愚かな発言で自分の首を絞めたらしい。


「リョウ、少しは反省しろ!」

「そうだぞ、ユマさん、は・・・ユマさんは・・・

なあ、ヨシノブユマさんとお前の関係ってなに?」

ミツヒラは言葉に詰まり俺に質問してくる。


「俺とユマの関係?え、えーと、その・・・」

「ミツヒラくん、私とヨシノブくんは秘密を握っている関係ですよ。」

「秘密を握ってる??

ヨシノブお前は何を握られたんだよ!」

「・・・言えねぇ!」

「ヨシノブは尻に敷かれているんだよ、それも随分昔から。」

「おいリョウ!いらない事を吹き込むな!

ってユマ、何お酒を飲んでいるんだ?」

「私だって大人ですからお酒の一つや二つ飲みますよ、それより、なんで飲みに行くのに誘ってくれないんですか?」

「いや、今日は男同士の飲み会だし・・・」

「男同士なんて不健康です!

リョウくんも女の子を沢山侍らしているのに男の子同士なんて・・・」

ユマはさらにグビッと行く。


「いやいや男同士で飲むのもたまには楽しいんだよ。」

「不健康です!!」

俺はユマをなだめるのだが、既に酔ってしまったのか不健康を連呼している。

リョウは既に二日酔いなのか、頭を痛そうに押さえている。


「あー、二人ともすまん、ユマを連れて帰るよ。

ほらユマ帰るぞ。」

「ヨシノブく〜ん、だっこ。」

「はいはい、だっこするから手を広げて。」

「う〜ん。」

ユマが手を広げてきたので俺はユマをお姫様だっこで持ち上げる。


「ヨシノブ、会計は俺がしとくからさっさと帰れ。」

「悪いな、ほらユマ帰るぞ。」

「ヨシノブくん、もういっけん〜」

「はいはい、酔っぱらいはおうちに帰りましょうね。」

「私はまだよってなあ〜い。

そんな悪いこと言う人にはこうです。」

ユマは首筋に噛みついてきたのだがチカラが弱いのかただ吸っているだけになっている。


「あとがのこったのです〜」

ユマは楽しそうに騒いでいるのだが、俺は酔っぱらいを抱えて帰路につく・・・ 


「リョウ、あれってユマが甘えているだけだよな?」

「愛人のキスマークをつけて、妻のいる家に帰宅か、あいつも中々の猛者だな。」

「あいつの嫁さん大丈夫か?」

「それは大丈夫、嫁さんはハーレム推奨者だ、ユマが増えた所で歓迎されるだろうな。」

「あいつ、遠い世界に行ったんだな。」

リョウとミツヒラは去りゆくヨシノブをただ見送るのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る