第1341話 店から追放

「え、えっと、どうなっているんだ?」

急な話の転回にクレは取り残されていた。

「えーと、クレさん取引停止でも問題無いみたいです。」

「なんだと!我が社の仕事を失ってはお前の会社は潰れるだけじゃないのか!」

「はい、クレアグループから仕事をいただけそうです。」

「・・・まちたまえ、そんな一方的に取引停止をしてもいいと思っているのかね?」

「えっ?クレさんが取引停止を持ちかけてきていましたよね?」

「こんな酒の場で取引停止なんか決めれる訳がないだろ!」


「お前から言い出したんだろ?

ミツヒラに賠償だ、なんだ騒いで取引停止をチラつかせていたんだ、自業自得だ。」

俺はミツヒラに代わってはっきりと伝える。

「お前には関係ないだろ!」

「いや、ミツヒラの会社に取引先を紹介したからな無関係じゃ無くなったな。」

「くっ、今も取引を止めたら我が社にも影響が出るんだ、それについてはどう保証するつもりだ!」

「保証も何もお前の方から取引停止って言ってきたんだろ?」

「うるさい!うるさい!こんな話を会社に持ち帰れるか!」

「持ち帰れよ、お前がやらかした事だ。

だいたいお前は騒ぎすぎだ、此処は酒を飲む場所、商取引をしたいなら別の場所に行け。」

俺が目配せをすると店員がクレの腕を掴む。


「お客様、他のお客様のご迷惑になっております、今後二度と当店にお越ししないようにしてもらえますか。」

「ま、まて!私は客だぞ!お客様は神様じゃないのか!」

「神様のお客様はあちらにございます。

当店では最重要のお客様でございまして、その御方と争った以上、当店としては貴方をブラックリスト入りさせていただきます。」

「まて!話せばわかる!」

クレは店員に抱えられ店から追い出される。


「騒がしい客だな、ミツヒラ飲み直そうぜ!」

「なあ、本当に大丈夫なんだよな、あんな事言ったけどクレさんの会社との取引が無くなると結構やばいんだ。」

「大丈夫だって、お前の会社、元々技術力はあるし、ちゃんと見てくれる所と取引したらもっと伸びる会社だって、レオさんのところが断るようならうちの国で受け入れてもいいし。」

「そう言えばお前は神様で王様だったんだよな。」

「いちおうな〜

まあ中身は変わってないつもりだから、お前も変に気を使うなよ。」

「使わねえよ、神様の前に友達だろ?」

「そのとおりだ!飲むぞ!」


俺がミツヒラを連れて部屋に戻るとニコニコ笑っているユマがリョウを正座させて待っているのだった・・・

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