第1340話 ヨシノブ介入
「ミツヒラ、さっさと便所から帰ってこい・・・
ってなんか揉め事か?」
俺はいつまでも帰ってこないミツヒラを探しに出ると何か絡まれているミツヒラを発見する。
「ミツヒラの知り合いですか?まったく無能そうな顔をしている。」
「いきなりな言葉だな、まあいいや、ミツヒラさっさと飲み直そうぜ。」
「いや、まあ・・・」
「何を言ってるのですか!私の話はまだ終わってない!」
「あー、だったらなんの用事だよ、酒の入っている場でゴチャゴチャ細かい話は無いだろう。」
「無礼な男だ、まったく底辺のミツヒラに相応しいと言えるが・・・」
「なんだ?喧嘩売ってるのか?」
「落ち着けよ、ヨシノブ。
この人はうちの会社の取引相手でキム・クレさんなんだ。」
「取引相手?まあそれはいいけど、飲んでる場で商談なんてできないだろ?後日にしてもらえよ。」
「いや、それがな・・・」
「ふん、ミツヒラが無能なせいで我が社に被害が出たのです、その賠償を約束するなら何処へでも行けばいい。」
「ふーん、あんたが何処の誰だか知らないけど、ミツヒラは無能じゃ無いからな、他の奴に被害が出るような真似をするとは思えない。」
「これだから底辺共は・・・
この私が言う言葉に従えないと言うなら取引停止させます!
嫌なら賠償すればいいだけです。」
「取引停止?ミツヒラこんな奴と取引する必要なんて無いぞ〜
取引する相手なんていくらでもいるだろ?」
「いや、うちの会社、小さくて他の所を探すなんて中々出来ないんだよ。」
「なんだそれ?それこそリョウにでも言って働かせてもいいし、俺が何処かに話を持っていくぞ?」
「流石にリョウに頼るのも違うだろ?あいつとは友達だからこそ仕事の事は別で・・・」
「友達だからこそ、こき使えばいい。
・・・とまあリョウの名前だけじゃ流石に俺も情けない話になるな。
ちょっと、待ってろよ〜」
俺はレオに電話をかける。
「レオさん久しぶりです。」
「おお、ヨシノブ。ご無沙汰だな、もっと連絡してきてもいいんだぞ。」
「あはは、それはそうなのですけど、今日はちょっと相談がありまして。」
「ヨシノブが相談とは珍しい、なんだい?」
「レオの会社たしか色々やってたと思うけど、機械部品を買ってくれない?」
「これまたザックリした話だな、たしかに下請け先はいくつ合っても問題無いが・・・」
「おーい、ミツヒラ〜、ちょっと営業して。」
「えっ?相手は誰?」
「クレアグループの会長さん。」
「ちょ、まじかお前!」
「マジマジ、たぶん取引してくれるから話してみ。」
「お、お電話代わりました、ヨシノブの友人でミツヒラと申します。
この度は当社の話を聞いていただき感謝致します。」
「ヨシノブの友人か、それは大事にしないといけないな。
取引については数日中にこちらから人を派遣するので前向きに話合いをしようじゃないか。」
「えっ、詳しく聞かなくても・・・」
「ヨシノブの友人というだけで取引に値する、少なくともヨシノブ自身が私に連絡してくるぐらいに仲は良いのだろう?」
「ええ、仲は良いと思ってます、今も飲みに来ているぐらいですし。」
「ならば問題無い、ヨシノブの事だ何か厄介事とセットなのだろうが、それも引き受けよう。」
「いいんですか?」
「なに、このところ源グループに取られ過ぎているぐらいだ、ここらでヨシノブに恩を売るのも悪くない。」
「ありがとうございます。」
「礼はヨシノブによく伝えておいてくれたまえ。」
「はい、必ず。」
「いやはや中々いい商談になりそうだ。」
レオは満足気に電話をおえるのだった。
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