第1327話 信仰心

食えるかどうか、それが大事な事である。

ヨシノブの存在を受け入れれば受け入れるほど

日々の暮らしは楽になる・・・

「ヨシノブ様、万歳!!」

「ヨシノブ様、今日も糧にありつけた事に感謝致します。」


「オルデン様は何をしているのだ、このままだとこの世界はヨシノブに乗っ取られてしまうぞ!」


「オルデン教徒よ、今は耐える時なのだ、邪神の言葉に耳を貸す必要は無い、試練の後オルデン様の祝福がある。

その時を待つのだ!」


教会は必死に声を上げるが・・・

空腹に耐えかねた一部の人々は次第にヨシノブを祈るようになり、熱心な教徒以外はヨシノブを主神として迎えるのであった。



「おかしい、全然信仰心がたまらない。」

パスはたまらない信仰心に頭を悩ませていた。

子供会が急速に支配域を広げているとはいえ、今だに信仰する者は多いのだが、カタログ程無い性能と中抜きにより、オルデンの社に入る量は大幅に減少しており、社の修復、神々の治療、給料などを支払うと貯まる分は無かった。


その上・・・

「パス様、システムが加熱し過ぎています、このままだと熱暴走を起こしそうです!」

「なんだと!冷却器はどうなっている?」

「起動しているのですがそれでも効果が無いようです!」

「仕方無い、最低限のシステム以外停止させろ、あと室温を下げて冷却するのだ。」

「はい!」

度々熱暴走を起こし、そのたびに稼働させるシステムをダウンさせる、十全に起動する日は少なかったのだ・・・


「くっ、天津製とこれ程までに性能が違うとは・・・」

パスはこれまで使っていた天津製品との違いに驚きを隠せない、B級品ということは知っていたつもりだったが、実際に使用してみるとその酷さが明らかになる。

とはいえ資金も無ければ天津製品を売ってもらえない現状を考えると当面はこれで凌がなければならないのだ。


「パス様、このままだと地上に住むもの達が死滅してしまいます、せめて管理システムだけでも起動できませんか?」

「わかっているのだが、重すぎて起動出来ないのだ、もう少し待て、それまではそれぞれが手動で行うのだ。」

パスは元々管理していた者達に命じたつもりではいたのだが、先日の襲撃により多くの神が身動きの取れない状態となっている、各担当者とて例外では無い、現状一部の神が担当しているが専門外の事まで手が回らない、段々と管理は行き詰まっていくのであった・・・

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