第1325話 ラニアン王国の交渉

「女神ポメ様、先程の非礼お詫びいたします。

どうかラニアン王国をお救いください。」

キングダムは乗っていた馬を降り、礼を持ってポメに対応する。


「おとうさんを信じるなら助かるのです。

オルデンは悪い神様なのです、信じる人も悪い人なのです。」

「オルデンが悪い神様とはどういうことなのでしょう?」

「オルデンはおかあさんを拐った誘拐犯なのです、ポメは怒っているのです。」

ポメは怒っている事をアピールするのだがキングダムには事情が伝わらない。


「ポメ様のお言葉を伝える。

オルデンは犯した罪により数多の神々の怒りをかい、討伐の対象になっている。

その上でこの世界の統治する事もせずに逃げ隠れているのだ。

その為、この世界は滅亡するしか無かったのだが、御父君であり、最高神ヨシノブ様の御慈悲により、世界の清浄に女神である娘、ポメ様を送り出されたのだ。」

「最高神ヨシノブ様ですか?」

「そうだ、ヨシノブ様は人として産まれながら、神の位にまで登り詰めた偉大な御方である!

全ての人は父として慕い敬うべき存在なのだ!」


「何を好き勝手に言ってる、オルデン様はこの世界をお創りになられた、創造神にして唯一無二の存在、どこの馬の骨かわからない奴を拝む事なんてできるか!」

一人の騎士が激昂とともに叫ぶのだが・・・


その瞬間首が落ちる。


コイヌスキーが時を止め暴言を吐く輩を成敗したのだ。


「発言には責任を取ってもらう。

ポメ様の前で気に耐えぬ暴言はその命を持って償うべきだ。」


「えっ、ナバル!ナバルの首が!!」

時を止めている間の事は当然ながら普通の人には見えない、ラニアン王国の人からするといきなりナバルの首が落ちたのだ。

キングダムを始め、全員が恐慌状態となる。


「我々は金を出せとも国を寄こせとも言うつもりは無い、ただ信仰を変えろと言っている。

無理ならその命頂くだけだ。」

コイヌスキーから感じる威圧に抗う者は残されていなかった。

「わ、わかった、ただし、国を救ってくれたあかつきには我が国はヨシノブ教を国教にすると約束しよう。」

「足りん!オルデン教及びそれに付随する神を邪神として扱うのだ。」

「それは・・・国民の多くがオルデン教を崇拝している、すぐに変更すると国が乱れる。

暫し時間をくれないか。」

「コイヌスキーさん、大丈夫なのです。

おとうさんを崇拝しない者達にはいつまでも祝福は続かないのです、ちゃんとヘルマンは見ているのです。」

「なるほど、ポメ様のお言葉により、お前達の言葉を信じてやろう、くれぐれも裏切らぬようにな。」

コイヌスキーの受け入れにキングダム達は胸を撫で下ろす、一先ずの危機は乗り越えたのであった。

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