第1314話 平和的終了
「リリスさん、サタナスさんに提案があるのですが、私の本領と此処に転移門を設置しませんか?」
「転移門ですか?」
「ええ、これからは家族になるのですから、クラルも簡単に帰省できる方が楽でいいでしょう。」
「ヨシノブさん、転移というのは非常に難しい魔法なのです、ヨシノブさんの領地はかなり離れていますでしょ、そこまで繋ぐ転移門を作ることも維持する事も難しいかと。」
「設置も維持も私がやりますので大丈夫です。
ただ、国と国の移動になりますのでそれなりのルールは必要になるとは思いますが。」
「ヨシノブさんが設置をなさるのですか?」
「ええ、それぐらいのチカラはありますから。」
「でも魔族が行っても大丈夫なのかしら?
お恥ずかしながら人を見下し傲慢な者もそれなりにありますので。」
「まあ危害を加えるような者はお断りしたいのですが、もし何か問題を起こせばこちらの法で処理する事を確約すればいいかと。」
「ええ、問題を起こせば当然現地の法に従うべきでしょう、ですが魔族は人と違い個々で力を持っています、取り締まるのも難しいのでは無いでしょうか?」
「大丈夫です、取り締まるのが人とは限りませんから。」
「えっ?」
「私の本領には人で無い者も多くいますので、その者達が対応する時もあるでしょう。」
「・・・ふぅ、ヨシノブさん本当に強くなられたのですね。
わかりました、魔族には通達を出しヨシノブさんの所に向かうときは暴力行為を行わないように強く言っておきます。
またそのような行為を行った者を魔王軍として仲間とみなさないので、ヨシノブさんのお好きにしてください。」
「わかりました、魔族の方々もくれぐれもお気をつけてください。
難癖をつけた相手が何をしてくるかわからないのが私の本領アリアです。」
「私も行ってもいいのですか?」
「ええ、是非お越しください。」
「楽しみですね。」
宴は和やかな雰囲気の中、幕を閉じる。
俺としてはもっと魔族から反対者が出ると思っていたから少し拍子抜けのところがあったのだが・・・
平和に認められる事が最良なのだと一安心するのであった。
「おい、あの威圧感じたか?」
「ああ、あの幼女少しでも戦意を見せたら殺る気だったぞ。」
魔族の男達の中にはクラルに片想いしている者もおり、ヨシノブとクラルが結ばれたと聞き、血の涙を流し、如何に難癖をつけるか考える者もそれなりにいたのだが・・・
訪問してきたヨシノブに僅かでも敵意を向けると何処からともなく刀の刃が首筋に当たるのだ、あまりの恐怖に身動きの取れない。
そして、一つの言葉が届く。
「おとうさんの敵は死ぬしか無いのよ。
生きていたいなら大人しくするのよ。」
ヨシノブの隣にいる幼女からの突き刺さる殺気とボソリと耳元に届く言葉に魔族の心を圧し折っていたのだった。
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