第1309話 責任をとる
翌日・・・
「おめでとう、クラルさん。」
「サリナさん、ありがとうございます。」
艶々したクラルを見て、サリナをはじめ女性陣が祝福の声を上げていた。
「おい、ハーレムさん、感想は?」
「うるさい、責任は取るよ。
一度魔王に会う必要があるな。」
俺はクラルを正式に迎える為にも魔王と再び会う必要性を感じていた。
「じゃあ、行ってくるよ。」
俺はクラルとファイ、護衛にシモとオットー、パウルを連れて魔王サタナスに会うために魔王領を目指す。
「大丈夫かな?」
「大丈夫です、今の魔王領ではヨシノブさんとの関係を良くしようという動きが主流になっていますから。」
「それでも、正式に迎える前に身体の関係になっちゃった訳だし。」
クラルは思い出したのか顔を真っ赤にしてうつむく。
「ヨシノブさん、デリカシーにかけますよ。」
クラルの代わりにファイが俺を叱る。
「デリカシーも何も、動けない俺に二人がかりでアレヤコレヤしてたじゃないか。」
「そういうことを言わない、まったく私達乙女の純情をなんだと思っているんです。」
「ファイが乙女?」
「なにか文句がありますか?」
「そもそもファイがクラルさんを唆したのが問題はじゃないか?」
「そうじゃありません、ファイさんは私の気持ちを知って、手助けしてくれたんです。」
「クラルさん、ファイを庇う必要は無いからね。
クラルさんなら段階を踏んで関係を持つはずなのに、このファイはその段階を踏み越えて一線を飛び越えさせたんだから。」
「いい仕事をしました。」
ファイはいい笑顔を見せてくる。
「少しは反省しろ。」
俺の叱りもなんのその、ファイのいい笑顔は到着まで続くのだった。
空港に降り立つと魔王領内に滞在する子供達が出迎えてくれる。
「ようこそお越しくださいました、魔王領支部を纏めるイアソンです。」
「いつもお疲れ様、イアソンが頑張ってくれるから魔族の人達も助かっていると聞いてるよ。」
「ありがとうございます!」
俺に声をかけられた事に感動しているのかイアソンは既に涙目になっていた。
「イアソン、これからもよろしく頼むよ。」
俺はイアソンの頭を優しく撫でる。
「おとうさん、おとうさん、ありがとうございます、ありがとうございます。」
俺はイアソンが落ち着くまで頭を撫でるのであった。
「お恥ずかしい所をお見せしました。」
落ち着いたイアソンは恥ずかしそうな表情を見せる。
「大丈夫だよ。
さて、俺達は魔王に会いに行こうと思うけど、向こうの都合はどうなってる?」
「はい、既に出迎える準備は出来ております。」
「出迎える準備?」
「はい、さあこちらにお乗りください。」
イアソンが用意していたのはオープンな馬車であった。
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