第1308話 動けない

「はいはい、ヨシノブさん脱ぎ脱ぎしましょうね。」

ファイは手際良く俺を脱がしていく。

「アワアワ、これが男性の、ヨシノブさんの・・・」

ゴクリとクラルから唾を飲む音が聞こえる。


「クラルさん、見ちゃ駄目だから、ファイも悪巫山戯はクラルさんの迷惑になるだろう?」

「悪巫山戯?何を言ってるんですか、乙女心をわからない悪党を成敗する、大事な時なんです、でもいつもより立派ですね。」

「疲れている時は仕方ないんだよ、それより俺は寝たいからベッドに運んで・・・って、ファイ何を準備しているんだ?」

「だからベッドを用意しているんです。」

ファイはおもむろにエアーベッドを用意している。

「なんでこんなところにあるの!!」

「そりゃいつでも出来るようにですね、あらかじめ準備しておきました。

あっ、このお風呂は子供達が来ない場所ですから大丈夫ですよ。」

「何も大丈夫じゃないよ!

クラルさんもながされないでファイを止めて!」


「ヨシノブさん、失礼しますね。」

クラルは意を決したのか直接触りにくる。

「クラルさん!!」

「大丈夫です、ちゃんと知識はありますから・・・

自分でするのは初めてですけど。」

「大丈夫ですよクラル様、私がちゃんと教えて差し上げます。」

「頼りにしてます、ファイさん。」

「待った!何を二人で納得してるの!」

「もうヨシノブさんはうるさいですよ、こんな美少女がいただきますって言ってるんです、大人しく食べられてください。」

「いや、そんな問題じゃないだろ!」

「大丈夫です、外交的外堀はちゃんと片付けてありますから、今日は魔族と神族の新たなる第一歩です♪」

「ファイ、落ち着こう、話せばわかる!」

「大丈夫大丈夫♪クラル様、覚悟は良いですか?」

「・・・はい。」

「クラルさん!覚悟を決めちゃ駄目、落ち着いて冷静に・・・あっ!」


その日一人の少女が大人の階段を上がるのであった。



「あれ?リョウくんが此処にいるって聞いたんだけど。」

「アズサさん、見かけないよ?」

アズサとミズホがリョウを探しに当初いた部屋に来ていたのだがリョウの姿はそこには無かった。


「ヤマタノオロチくん、助かったよ。」

「リョウの旦那、いいんですかい?伴侶の方々が探してますぜ。」

「今、手を出す訳にはいかないからね、それよりしばらく寝かせてもらうから、周囲の安全確認よろしく〜」

リョウは残されたチカラを振り絞りヤマタノオロチを召喚、逃走に成功していたのだった・・・

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