第1307話 訓練が終わったが・・・

「つ、つかれた・・・」

俺は地獄の修行からなんとか帰って来れていた。

俺の隣ではリョウが同じように疲れ果てて横になっている。


「軟弱な奴らめ、高々千程度の魔物を相手にしたぐらいでバテるとは。」

「魔物より一匹の鬼のせいだ・・・」

「そうだ、血も涙もない鬼のせいだ。」

俺とリョウは恨みがましくアキラを見る、事実アキラからの攻撃が無ければ俺達だって此処まで疲労していない。


「まだ修行が足りんのか?

まったくいかなる状況でも瞬時に把握して効率良く戦えば疲労は最小限になると何故わからん。」

「最小限で鬼の攻撃がいなせない。」

「隙をついてくる鬼が極悪過ぎる。」

俺達二人は仲良く反論を入れる。


「まったく日頃の精進が足りぬからそこまでへばるのじゃ、何が悪かったか良く考えるのじゃ。」

アキラが立ち去った事でやっと俺とリョウは警戒を解くのであった。


「今回はやばかった・・・いま神威の残り無いよ。」

「俺も刀を振るう元気は無いな。」

床に横たわり動けない俺達はそのまま一眠りに・・・


「ヨシノブさん、こんな所で寝ていると悪い悪魔に食べられちゃいますよ。」

眠りに付く前にファイが現れる。

「ファイ、丁度良かった、ベッドまで運んでもらえない?

もう身体を動かす元気も無くて。」

「あらあら、それは丁度いいです。」

「うん?丁度いい?」

「私達これからお風呂に入るところだったんです、一緒に入りましょう。」

「まて!俺は一眠りしてから・・・」

「駄目ですよ、だいぶ汚れてますからちゃんと洗ってからベッドに行きましょう。

大丈夫、私達がちゃんと洗いますから・・・」

「うん?私達?」

俺が目線を向けるとそこにはクラルがいる。


「クラルさん?おいファイ、まさかと思うが一緒に風呂ってクラルさんとか!」

「はい♪そうですよ〜♪」

「そうですよ〜じゃない、クラルさんに迷惑だろ!」

「だ、だいじょうぶです、ちゃんとがんばります。」

何故かクラルはやる気になっている。


「クラルさん?頑張らなくていいから、ファイ、待てなんで俺を抱き上げる。」

「実力行使です、さあいきますよ〜♪」

「おい、待てって!リョウ!助けてくれ!」

俺は身体が動かせない為に戦友に助けを求める。


「グッドラック!ハーレム野郎。」

リョウは腹立たしい笑顔でこちらを見ている。


「くそっ、あの野郎!」

「大丈夫です、ちゃんとリョウさんにもお迎えが来るように連絡しましたから、すぐにアズサさんが食べに・・・迎えに来ますから。

リョウさんも楽しみに待っててください♪」


「この悪魔!なんて事をしてくれるんだ、俺はこのまま寝ても問題無かったのに!!」

「年貢の納め時です。

さぁ、ヨシノブさんはお風呂にいきましょう。」

「離せファイ、リョウヘルプ〜」

「俺もそれどころじゃない、この場を離れないと・・・」

リョウは俺を助けるどころか遠ざかり姿を隠そうとしていた。


「てめぇ俺を見捨てる気だな!」

「うるせぇ、さっさと喰われてこい、俺はそれどころじゃないんだ!!」

俺が風呂場に連行されている間に救助が来ることは無かった・・・

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