第1299話 嘘発見器
「マックス様、ポメが作りに来たのです。」
マックスは真実の部屋を作る為にヨシノブを呼んだはずなのだが何故かポメが現れた。
「ポメちゃん、どうしたんだ?ヨシノブが来る予定だったはずだが?」
「おとうさんはアキラおじいちゃんに怒られているのです。」
「師父に怒られている?」
「そうなのです、おとうさんは訓練から逃げようとしたのを怒られているのです。」
「ふむ、たしかに訓練は自身の為でもあるからな。」
「そこでポメが代わりにお仕事に来たのです。」
「ポメちゃんを疑うつもりは無いがこの部屋を真実しか言えない部屋に出来るかい?」
「わふぅ、お部屋全てを変えるのは出来ないのです。
でもちゃんと準備をして来たのです。」
ポメの後ろには大きな荷物を持ってきているコイヌスキーがいた。
「コイヌスキー、それはなんだ?」
「ポメ様が御用意くださった物にございます。」
そこにはで大きな人の顔が大きく口を開いた状態の石板があった。
「これは真実の口なのです。」
「真実の口?」
「そうなのです、この口に身体の一部を入れた状態で嘘をつくとお口が閉じるのです。」
「口を閉じる?つまり口に入れていた物は?」
「噛み切られるのです。
でも、設定で甘噛、半開き、歯軋り、全噛みを選べるのです。」
「なんと、強度も変えられるのか。」
「そうなのです、作る時にオケアノスおじいちゃんに手伝って貰ったのです。」
「オケアノスおじいちゃん?」
「そうなのです、ポメを孫のように可愛がってくれる優しいおじいちゃんなのです。」
オケアノスはギリシャ神話の海神であり、多くの子がいるが現在それぞれが独立している為、子育てから離れている、観光に訪れたアリアでたまたま出会ったポメを可愛がっており、今回ポメの頼みを聞いて真実の口の作製に協力してくれていた。
「オケアノス殿がどなたかは知らぬがこれ程の物を作れる方だ、只者では無いだろう。」
「わふぅ、おじいちゃんは強いのですよ、ポメの神威じゃ全然叶わないのてす。」
「ポメちゃん、その御老人によろしくお伝えしてください。」
「わふぅ、今度一緒にお散歩に行くのです♪
その時に伝えておくのです。」
ポメ自身、可愛がってくれるオケアノスに懐いていることもあり、楽しそうに尻尾を振っている。
「マックス団長、まずはこれの試運転を始めませぬか?
罪人候補を連行しております。」
コイヌスキーは疑いのあった者の中で濃厚な者を連れてきていた。
「私は何もしていない!本当なんだ信じてくれ!」
「ならばこの口の中に手を入れろ。真実を言うならこの口が閉じることは無い。」
「ま、まってください、これが誤作動したらどうするんですか!」
「わふぅ、誤作動は無いのです、私より強い神威で作られているのです、壊れる事も無いのです。」
「そんな少女の言う事に信憑性があると思いか!
私は長年官吏として国の為に尽くしてきた!
私を信じてください!」
「ペラペラとポメ様に非礼な・・・
ウダウダと言わずに手を入れろと言ってるんだ!」
コイヌスキーはそのまま頭を口の中に入れる。
「コイヌスキー様!違ってます、頭が頭が入ってます!」
「ポメ様、真実の口を使用します。」
「わふぅ、起動するのです。」
ポメがスイッチを押すと真実の口の目が光る。
『質問を言え、答えが嘘なら口を閉じよう。』
「質問だ、お前は賄賂を受け取ったか?」
「ま、まってくれ!」
『イエスかノーか?』
「・・・受け取っていない!賄賂なんか!」
真実の口は口を閉じ、入っていた首が落ちるのだった・・・
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