第1298話 新たな政策

「陛下、国力増強の政策を立てて参りました。」

マックスは帰った早々、新たな政策を準備し、ルーズに謁見していた。

「マックス、国力増強とは内務の仕事だぞ、軍務のお主がそこまですると負担が大きいであろう。」

「いえ、私に取って必要な事を行うのみであります。」

「ふむ、真の忠臣とはお主の事を言うのであろう。

して、どのような政策なのだ?」

「まずは違法行為に手を出している貴族、官吏、商人を全て取り締まります。」

「過激な案だが、それをすると国の運用が難しくならぬか?

恥ずかしい話だが、それなりの地位におるものが関わっているだろう。」

「ですので、まずは自主的に申し出た者は軽めの罰金を、そして取調べで発覚した者を重い罰金と致します、それと各自の罪の重さにおいて多大な金銭を国庫に納めさせます。」

「それだと不満が残るであろう。」

「そもそも法に反しているのです、不満があるなら首を置いて去ってもらうだけにございます。」

「わからぬでも無い、だがどうやって真実を見抜く、誤った調べは許されぬぞ。」

「もちろんです、そこで新たに取調べ室を作ります。」

「取調べ室?従来のでは駄目なのか?」

「はい、新たに作る取調べ室は真実を話すしか出来ぬ部屋に致します。」

「真実を話すしか出来ぬ部屋とな?」

「はい、これにつきましてはヨシノブの協力か必要がありますが本人からは良い返事をもらっております。」

「ヨシノブのチカラか、たしかにそれなら出来るのだろうがヨシノブの負担にならぬか?」

「ヨシノブにとって難しい事では無いようです。老師の訓練時に代われば良いとの事でした。」

「それは友人として気を使っているだけではないのか?」

「陛下、ここは友誼に甘んじても国を栄える事を考えるべきです。」

「・・・わかった、だが国庫を潤したあとどうする?」


「その資金を用いて基金を創設し、地方の発展を行います。」

「地方の発展か・・・」

「はい、カルラさんの協力によって王都近郊は発展しておりますが、今だに地方の発展は遅れております、今回の予算を持って地方にも恩恵を与えることが大事かと存じます。」

「うむ、たしかに地方は後回しになっている事は由々しき問題ではあるが、ヨシノブの迷惑にならぬようにするのだぞ。」

「勿論にございます、申し出た時は嬉しそうにしておりましたので問題は無いかと思います。」

「ならば良いが、くれぐれもヨシノブに敬意を払うようにな。」

ルーズはマックスの案に許可を出すのであった。

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