第1297話 通貨を

「ヘルマンくん、聞きたいことがある。」

「これはマックスさん、なにかありましたか?」

「カルラさんのグッズを販売すると聞いたが私が手にする事は可能か?」

「可能です、マックスさんにはカルラのファンクラブの親衛隊隊長をお願いしようかと検討していたところなのですが、お受けしますか?」

「ファンクラブの親衛隊隊長?」

「ええ、人気が出れば纏める人も必要になるでしょう、もちろん無理にとは言いません。

別段仕事という訳でもありませんから、給料が出るわけでもありません。

ですがカルラの親衛隊隊長という肩書が相応しいと思われるのはマックスさんかと思いお声がけを検討していたのですが、どうしますか?」

「もちろん!引き受けるに決まっている、私以外にカルラさんの親衛隊隊長になれる者はいないだろう。」

「ならばこちらをどうぞ。」

ヘルマンはカードを渡す。そこにはリンゴのマークを透かした紙にマックスの名前とカルラ親衛隊隊長の肩書とともに会員番号1が書かれていた。


「これは!!」

「カルラの公式ファンクラブ会員番号1番、親衛隊隊長としての証明書です。

会員番号13まではカルラの手書きです。

ファンクラブ特典としてグッズの優先販売、ライブチケットの優先販売、及び先行入場があります。」

「つまりこれがあれば買えるのだな?」

「ええ、ただしアリアでの共通通貨での販売となります。」

「アリアでの共通通貨?」

「はい、現在作製を急いでいますが1アリアがマインズ王国金貨1枚となる予定です。」

「ふむ、中々高い物になるのだな?」

「神も使用する通貨となりますのであまり安くする訳にもいかないのです。」

「ちなみに神はいくらと交換するのだ?」

「1神威を1アリアとして交換レートを定める予定です。」

「ふむ、神威を取引に出来る物なのか?」

「はい、神界ではカードが発行されておりまして、アマテラス姉様からの御厚意で両替機を作って頂きました。」

「なるほど、神威というのはヨシノブが使うチカラの事なのはわかるが私からは出ていないのか?」

「これは神にならないと出ないみたいで、アキラさんも神威に負けない闘気は出るものの神威自体は出ていない事がわかっています。」

「ぬっ、私から出ているならいくらでも買えたのだが・・・」

「こればかりはどうしようも無いことかなと。」

「いや、わかっている。

つまり私はマインズ王国を豊かにして金貨を得れば良いのだな?」

「まあ、そうなりますね。」

「良し、そうと決まればにすぐ国力を上げる必要があるな。」

マックスは急いで屋敷に帰っていく。


「あれ?マックス帰ったの?」

マッサージが終わってマックスの相手をしようと思ったら既にマックスは帰った後だった。

「マックスさんはマインズ王国の国力を上げると言ってお帰りになりました。」

「珍しい事もあるもんだが・・・

まあ、マックスも騎士団長で伯爵だもんな、国の事を考えているんだろう。」

「ええ、マインズ王国が世界を統べる日も近いかも知れませんね。」

ヘルマンの冗談に俺は笑うのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る